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ニュース〜医療の今がわかる

長期債務ゼロでスタートを NC独法化 検証チーム


 塩田浩平・京都大学副学長
「国立大学は一足先に独立行政法人になって、やはり財投から借金をしている。もう6年になるが、あと数年、少ないところで数億円、多いところでは数十億円を返済し続けないといけない。このために多くの大学病院では既に黒字に転換しているのに、見かけ上は借金返済のために赤字になっていて、働いている職員のモチベーションも上がりにくいのが現実。できるなら発足時の借金はない方がよい」

 正木義博・済生会横浜市東部病院院長補佐
「一般病院の経営者の立場からすると、借金して施設を整備し、その借金を返していくというのは当たり前で、それが日々のモチベーションにつながっている。我々医療法人に近いような形なのに、借金を一切負わないでよいというのが国民の納得を得られるか心配。国際医療センターなどは今ものすごい建物をつくってもらっていて、あれを無償でもらえるのだとしたら、うらやましい限り」

 吉川
「大久保先生の意見に全く同じ。むしろ今後どうしても足らなくなった時に厳しい査定を利かすことで健全な自律が生まれる。意味不明のまま過去の借財を背負わすのは、その後の道をグチャグチャにしてしまう」

 近藤達也・医薬品医療機器総合機構理事長
「もともと国際医療センターの院長だった身として、日常的に感染症の対応にあたる中で、いつもこれをやると赤字になるというネガティブな話ばかりに足を引っ張られてきた感がある。これでは国民の視点で仕事をできないと思っていた。職員が捨て身になって仕事のできる環境をつくるには、過去の借金は背負わせないでいただきたい」

 伊東
「そもそも新理事長が決まっていないのに、巨額の借金を負わすことができるのか」

 仙谷
「712人のレジデントの労働条件改善というのは、このキャッシュフローの中に入ってるの?」

 武田
「今は非常勤扱いなので1日の勤務時間は6時間ということで、年収の平均が360万円と、勤務実態からすると相当低いことになっている。この単価をアップさせる、かなり大幅なアップをさせるという点については交付金で手当てをすることになっていて、既に計算書の収入にも支出にも計上されている」

 仙谷
「いくら上がってる? 残業手当まで含めて全部カウントする形になっているのか。医師になって3年か5年経って入ったような人があれだけ働いているのだから、勤務の実態から言えば年収1000万円くらいないとおかしい。そういう額になっているのか」

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