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法改正先取りしてでもガバナンス確立を 仙谷氏、NC検証チームで


 仙谷
「理事長そのものの人間像、理事もそうだが、プロフェッショナルがどれ位の割合いるべきなのか。提案の中には官僚やOBを絶対に入れないという過激なのもあったが」

 近藤
「どういう職種から出すべきかという問いに対する関連で、組織図の案を拝見して気になる点を述べたい。病院の中で大きな位置を占める医療職は医師、看護師、薬剤師だ。薬剤師の絶対数は少ないけれど、しかし病院の中で一番大きな問題は薬。しっかりしたポジションが必要かなと思う。

 全体的にNCというのは病院と研究所と両方で、日本全体にメッセージを出すような役割を期待されている。その時に一番求められるのはレギュラトリー・サイエンス。社会が何を求めているのか、世界をが何を求めているのかを正確にトップが自覚して折に触れて国民に対して適切に情報発信する必要があるし、厚生労働省に対しても研究のあり方やテーマすら提言しリードできる人、組織が望ましいかなと思う。一つのローカルな組織にとどまるのなら、税金を使って補助する意味はないと思う。端から、世界の最先端を意識すべきだろう。それが抜けていると幽体離脱したのと同じで税金でサポートする意味はない」

 境田
「民間の一般の医療機関と違って、難治性のものに特化して優れた臨床研究を行うことが求められると思う。少なくとも理事長には研究を理解する高い識見とリーダーシップを持った人であることが求められる。理事の構成は、医師と関係職で少なくとも過半数を占めるべきだと思う」

 筒泉正春・医療法人理事長
「NCの研究機能が我が国全体の中でどういう位置にあるのか。病院のパフォーマンスは国民にも明確に理解できる指標があるけれど、研究そのものを評価する指標が足りない。個別のNCもそうだし、NC全体としてどういうパフォーマンスをめざすのか。各NCの中での最適と国全体での最適と、グループとしてどういうパフォーマンスをめざすのか、厚生労働省が判断して助言することがあってもよいし、理事長も専門分野の人間だけでなく医療全体の専門家でもよいのでないか」

 吉川
「企業経営の立場から申し上げる。聖路加が我々と全く同じ方法で経営していることが分かった。それで大変うまくいっている。経営とは、要するに人、モノ、カネ、情報、時間を総合的に管理することだ。必ずしも医者でないといかんとは思わない。私は事務屋で技術のことなどほとんど分からない。私などが分かるような技術では勝負にならない。しかし何とか務まっているのは、それぞれの専門家に権限移譲しているから。その人たちが働きやすいようにマネジメントするだけだ、ここは資源の中で人の側面を強調しない方がよいのでないか」

 大久保
「吉川委員に全く同感。我々会計士も偉そうなことを言っていて、では会社を経営できるかと言ったらできない。そういうもの」

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