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12月11日の中医協 (ブリーフィング)

■ 基本問題小委員会② ─ DPC
 

[厚労省保険局医療課・長谷川学課長補佐]
 DPCは、(資料)「診─2─1」(急性期入院医療の診断群分類に基づく日額包括評価)です。

○ 論点
1 新たな機能評価係数の具体的項目について、どのように考えるか。
2 調整係数の段階的廃止への対応について、どのように考えるか。
3 診断群分類の見直し及び算定ルール等の見直しについて、どのように考えるか。
 事務局(保険局医療課)から「診─2─1」に従ってご説明しました。

 本日は(DPCが最後の議題となり)時間も限られていましたので、簡単なご説明でしたが、ポイントとしては第1の「現行の点数設定」の2番(調整係数の役割)ですね。

 「調整係数」には2つの役割があります。(出来高制度から包括制度へ移行する際の激変緩和としての)前年度並みの収入確保と、(診断群分類に基づく評価のみでは対応できない)病院機能の評価という役割があります。

 第2の「課題」で、調整係数の役割のうち「前年度並みの収入確保」という役割については段階的に廃止(2009年3月25日中医協小委で了承済み)、「病院機能の評価」という役割については、「新たな機能評価係数として評価すること」となっております。

 その後、「新たな機能評価係数」(の候補項目)について、DPC評価分科会の西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)からご説明がありました。

 ▼ 新体制の中医協でDPCについて議論するのは、11月4日に続いて2回目。前回と同様、この日も診療側の新委員からDPCに対する批判が相次いだ。前回の議事録はこちら

 説明のメインとしては参考資料の2(機能評価係数の設定案)でございます。(新たに導入する機能評価係数の)1から4については、前回(11月4日の)基本問題小委員会でほぼ、「項目としては採用が妥当だろう」というご指摘で、「中身を詰めるように」という宿題でしたので、(係数の設定方法などの)中身を今回提示した次第です。

 ▼ 「項目としては採用が妥当」と合意したかは微妙。日医執行部が委員を務めていた小委では、DPC評価分科会が「次期改定での導入妥当」とした1~4の項目のうち効率性指数などについて反対意見があり、正式に了承されていないように見えた。委員の人事で1か月中断した後、新体制になった11月4日の小委では、救急医療やチーム医療の体制に関する特別調査の結果が示された。同日は調査結果よりもDPC制度そのものに関する議論が中心だったが、遠藤久夫委員長は次のようにまとめている。
 「本日は調査報告をベースに御報告をいただいたわけでありますけれども、分科会のほうではかなり積極的に議論していただいておりますけれども、時間もかなり迫ってきておりますので、できるだけ早い段階である程度おまとめいただけるような御努力をまたお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。それでは、説明のあった件につきましては、小委員会として承認したということにさせていただきます」

 (1~4が了承されたので?)5番(救急医療)、6番(医療計画で定める事業の実施)、7番(チーム医療)については、基本問題小委員会から「項目も含めてDPC評価分科会で検討するように」ということでしたので、今回3つの案をお示ししました。
 あと、8番(患者の年齢構成による評価)と9番(診療ガイドライン)は、西岡分科会長からご説明がありませんでしたが、今回(2010年度改定での)導入を見送るものとなっております。

 あとは、(無菌製剤処理料、術中迅速病理組織標本作製など)包括対象からの除外事項についてご説明しました。(調整係数の)段階的廃止についても基本問題小委員会で宿題を頂いておりました。これについては、「最低2回の段階をもって廃止すべきだ」ということが分科会の総意であることを西岡分科会長が説明しました。

 それに基づいてご議論となったわけですが、本日は時間が限られておりましたので、積み残し事項は多いと思いますが、まず鈴木(邦彦)委員(茨城県医師会理事)から、「新たな機能評価係数」のうちの「複雑性指数」について、「不適切ではないか」というご発言があったと思います。鈴木委員のご主張では、「大規模病院のみが評価されて小規模病院、地域で頑張っている病院が不利ではないか」というご指摘だったと思います。
 それに対して、事務局(保険局医療課)と西岡先生から、「7つの指標をそれぞれ組み合わせて評価するものである」と。指標の種類によっては大規模病院が有利だったり中小規模病院にとって有利だったり専門病院で有利だったり、それぞれ特長が違いますので、1つの病院がすべての指標をオールマイティーに取るのはなかなか難しい。「組み合わせですよ」ということで、さらに西澤先生からも「いろいろな指標の組み合わせで評価すべきだ」ということでございました。

 その後、1号(支払)側から「分科会からの提案は基本的に良いのではないか」というご指摘と、「あとはウェイト(重み)付けの問題ですね」ということでして、遠藤会長からも「次回以降、ウェイト付けについて検討を続けていく」ということになっております。私からは以上でございます。

 

 (この記事へのコメントはこちら

 

【目次】
 P1 → 保険医療材料専門部会 ─ 平成22年度保険医療材料制度改革の骨子(案)
 P2 → 薬価専門部会 ─ 平成22年度薬価制度改革の骨子(たたき台)
 P3 → 基本問題小委員会① ─ 手術等
 P4 → 基本問題小委員会② ─ DPC

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