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12月16日の中医協 (ブリーフィング)

■ 基本問題小委員会⑤ ─ 初・再診料
 

[保険局医療課・佐々木健課長補佐]
 初・再診料についてはかなり活発にご議論いただきました。「論点」の資料を見ていただきたいと思います。

○ 論点
1 病院と診療所の再診料について、一物二価となっていることをどう考えるか。

2 同一日に病院の複数の診療科を受診した際の再診料の算定についてどう考えるか。

3 各診療科が担う役割と、初・再診料、外来管理加算における診療科間のバランスについてどう考えるか。

4 前回改定において、再診料の点数を引き下げる代わりに、外来管理加算について患者への懇切丁寧な説明や計画的な医学管理等を評価するものとして5分という時間要件を導入した。外来管理加算の時間要件を見直す場合に、懇切丁寧な説明等を時間以外の何をもって担保するか。

 また、一定の処置や検査を行わない場合に加算されるということで、患者にとって分かりにくいという指摘に対し、どのように答えるか。

 各委員が各論点について1つひとつ意見を表明してくださいまして、最後に(遠藤)会長におまとめいただいたので、それを繰り返させていただくことになりますが、まず論点1です。

 病院と診療所の再診料、(同じ再診なのに価格が違うという意味の)"一物二価"の問題につきましては、今日はっきりと中医協で意見がまとまったと理解しております。これはもう、「病院と診療所の再診料を統一する」ということが今日固まったと、これはもう書いていただいて構わないと思います。

 ただし、何人かの方がおっしゃっていましたが、実際、今後の改定率などさまざまな議論の中で、「何点で統一するのか」ということについては引き続きご議論だということは、1号(支払)側、2号(診療)側、公益委員、すべての委員の方々がそういうご理解だと思いますので、「統一ということが決まりました」ということだと思います。

 ▼ 現在、診療所の再診料は71点、病院は60点。診療側はあくまでも「病院の再診料を引き上げて統一」という意見。

 それから、(論点)2つ目の「同一日の病院の複数診療科受診」の問題ですが、2号(診療)側が特に「実際に受診している(ので評価してほしい)」ということ、それから医療法なども引き合いに出しながら、「(2回目の受診も)患者としてカウントしているのではないか」というご指摘なども(西澤寛俊委員・全日本病院協会会長)からあり、2号側からは満額かどうかは......、とりあえず「何か(評価が)あったほうが良いんじゃないか」という話がありました。

 1号(支払)側の見解としては、そうは言いつつも「そのまま付けるのか」という話もあって、「ここはもうちょっと議論が必要かな」という理解でおります。「しっかり議論していこうという雰囲気かな」と理解しました。

 それから3番目の診療科バランスについては、やはり(現場が混乱するので同一にすべきとの意見が多く)「中・長期的な課題」というような理解ではなかったかと思います。
 急に、「内科再診料」とか「眼科再診料」という形で議論するには、(収支バランスの)根拠となるようなデータ、資料などがまだまだ不足しているということもあります。今回の改定でそこまで着手することは難しかろうが、「議論はしていい」という話もありました。これは「議論するかしないか」もまだ合意したとは思っていませんが、少なくとも今回は行わないということだったと思います。

 それから4番目の外来管理加算ですが、これは前回(11月6日の基本問題小委員会)に引き続き、「5分という時間要件を用いない」ということは再確認されたと理解しました。
 嘉山委員(の発言後)ですか、診療側の委員が相談していた内容は「そもそも外来管理加算を廃止してはどうか」ということでしたが、それについては、1号(支払)側から「そんな急激なことをして大丈夫か」と、むしろ(影響を)心配するような指摘もあって、なかなか......。
 
 ▼ 嘉山委員が提案したのは「5分ルール」の廃止ではなく、「外来管理加算」自体の廃止。

 やはり、(外来管理加算を廃止すると)「影響も非常に大きい」という意見も(支払側の白川修二委員・健保連常務理事から)ありましたし......。ただし、(懇切丁寧な説明を独立の点数にするなど、外来管理加算を)最終的にどう取り扱うかというところはもう少々ご議論していただく必要があるのではないか。

 例えば、1号(支払)側からは「形を変えて」とか、そういう議論をしてみてはどうかというお話もありましたし、「丁寧な説明」を残すので、あとは(説明の方法を)現場の裁量とか運用に任せてほしいということで、「丁寧な説明も含めて元に戻すことはない」ということは合意できているんですが、「それを担保するか、しないか」、もしくは「(説明した紙を渡すなど)別の方法でやる」という(邉見委員の)意見と、そもそも「(外来管理加算を)廃止してはどうか」という(嘉山委員の)意見などいろいろ出たのですが......。

 ちょっとその、外来管理加算については、もう1議論していただく必要があって、ひいては「再診料がどの程度の点数で統一するのか」とか、あとは病院の再診料、(同一日の複数受診の場合の)2回目の問題(点数設定)をどうするのかなど、複合的にご議論していただく必要があるのではないかなと思いました。そういう方向で議論できるような情報、案を提示させていただくことになると思っています。以上です。


  
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【目次】
 P1 → 基本問題小委員会① ─ DPC(新たな機能評価係数の項目)
 P2 → 基本問題小委員会② ─ DPC(調整係数の段階的廃止等)
 P3 → 基本問題小委員会③ ─ がん対策
 P4 → 基本問題小委員会④ ─ 後発医薬品の使用促進
 P5 → 基本問題小委員会⑤ ─ 初・再診料

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