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12月18日の中医協 (ブリーフィング)

■ 基本問題小委員会① ─ 後期高齢者に係る診療報酬
 

[保険局医療課・佐々木健課長補佐]
 まず、「後期高齢者に係る診療報酬」の2回目ということで......(論点を改めて整理して提示した)。前回12月4日に議論していただいたときに、ちょっと資料があまりにも茫漠しているというか、ちょっと整っていなかったということもあって、議論していただくのが難しかったということも反省しまして、概念などを分かりやすく整理した資料を出させていただくという宿題を頂いていましたので対応しました。

 ▼ 前回、遠藤久夫会長が「資料および論点が大変分かりづらい。もう少し議論できるようなものにしていただきたい」と苦言を呈した。詳しくは、こちらを参照。

 (資料)「診─1」(後期高齢者に係る診療報酬②)を見ていただきますと、まず第1「前回までの経緯」ということで(前回の議論を)まとめさせていただきました。

第1 前回までの経緯
1. 「後期高齢者」という名称は廃止。

2. これまでに指摘の多かった、後期高齢者特定入院基本料、後期高齢者診療料、後期高齢者終末期相談支援料を中心に説明。

3. その他についても、点数が設定された由来や意義について一通り説明。

 まず、「後期高齢者」という名称については、社会保障審議会の医療部会と医療保険部会のご意見(平成22年度診療報酬改定の基本方針)にもありましたので、これは廃止するということでございます。

 ▼ 基本方針では、「75歳以上という年齢に着目した診療報酬体系については、後期高齢者医療制度本体の見直しに先行して廃止することとするが、このような診療報酬が設けられた趣旨・目的にも配慮しつつ、具体的な報酬設定を検討することとするべきである」としている。

 それから、(90日超の長期入院は診療報酬が減額される)後期高齢者特定入院基本料、(かかりつけ医が受け取る)後期高齢者診療料、(終末期の診療方針を文書にまとめた場合に算定できる)後期高齢者終末期相談支援料については、(前回)かなり議論がありまして、廃止など具体的なご意見が出た。それで、「論点」です。今回はその議論の再確認ということです。

○ 論点1
 これまでに指摘の多かった項目については以下のような整理でよいか。

 (1) 後期高齢者特定入院基本料
    → 今回、「長期入院患者に係る診療報酬について」の項目で議論

 (2) 後期高齢者診療料関連
    → 第153回基本問題小委員会(12月4日)の議論においては廃止の方向

 (3) 後期高齢者終末期相談支援料関連
    → 第153回基本問題小委員会(12月4日)の議論においては廃止の方向

 非常に重要なご決定ですので、再確認をさせていただいたのが(論点の)1番目です。

 まず、後期高齢者特定入院基本料は後ほど長期入院(患者に係る診療報酬)で併せてご説明いたしますので割愛いたします。後期高齢者診療料関連は、「廃止でよろしいですか」ということで、これについては「廃止でよろしい」ということでございました。
 後期高齢者終末期相談支援料(関連)についても同じく、「廃止でよろしかったですか」としたところ、「廃止」ということでした。

 ▼ 関連する加算も廃止。例えば、「後期高齢者診療料」の廃止に伴い、「後期高齢者外来患者緊急入院加算」、「後期高齢者外来継続指導料」も廃止。

 ただし、後期高齢者診療料については、1号(支払)側の白川(修二)委員(健保連常務理事)から、「かかりつけ医」と言いますか、「担当医」と言いますか、そういう概念自体は悪いということではないので、これは平成22年度改定ということではないと思いますが、24年度改定と言うか、「今後とも議論を進めていくべきではないか」というお話がございまして、その点については、特に2号(診療)側から反対はなかったので......。

 実際、どのようにしていくかということもありますけれども、継続して「かかりつけ医」の在り方と言いますか、「主治医」、「担当医」の在り方についてご議論していただくのかなと。

 その中で、2号(診療)側の鈴木(邦彦)委員(茨城県医師会理事、日本医療法人協会副会長)でしたか、「診療所に限らず中小病院もそういった『かかりつけ医』的な機能があるので、そういった所もきちんと評価してほしい」というご意見がありました。
 そういう意味では、診療所、中小病院の役割ということで、今後(2010年度改定後の)中医協で議論が行われる。これは若干、中・長期的な議論になるかもしれませんが、そういうことになったと理解しています。

 あと、(後期高齢者に係る診療報酬の)個別の部分は(論点の)2です。

○ 論点2
 その他の項目については、具体的な検討の際にご議論いただく。

 (1) 基本診療料の議論の中で検討すべき項目
    → 後期高齢者総合評価加算、後期高齢者退院調整加算
       診療所後期高齢者医療管理料

 (2) 特掲診療料の議論の中で検討すべき項目
    → 薬剤情報提供料の加算(後期高齢者手帳記載加算)
      後期高齢者退院時薬剤情報提供料
      後期高齢者退院時栄養・食事管理指導料
      後期高齢者処置、後期高齢者精神病棟等処置料

 (3) 歯科診療報酬の議論の中で検討すべき項目
    → 後期高齢者薬剤服用歴管理指導料

 (4) 調剤報酬の議論の中で検討すべき項目
    → 後期高齢者在宅療養口腔機能管理料

 (各診療報酬の)位置付けなどは(資料の)表で見ていただければと思いますが、「基本診療料の議論の中で検討すべき項目」の退院調整加算はケアマネージャー(と医療機関との連携)の議論とも関連しますし、診療所後期高齢者医療管理料は有床診療所の点数の議論とも関連してくるので、そういうものと併せて議論していただいてはどうかということでございます。

 それから、「特掲診療料の議論の中で検討すべき項目」は退院時の薬剤情報提供料、栄養・食事管理指導料、処置に関するもの、これらも各々、個別の薬剤情報提供や栄養・食事管理、処置の議論を今後していただく、個別論(点)を提示させていただく中で整理させていただくということでございます。歯科と調剤も同じです。

 これらは「後期高齢者」という名前が付いていて横断的に記載していますが、関連する点数や項目と併せて議論しなければ、なかなか実際......。
 「後期高齢者」という名称自体は消えてしまうと思いますし、年齢要件そのものも75歳という線引きではないと思いますが、ではこの点数を単純に消してしまうのか、それとも年齢を広げるのかということは各々4つの範疇の他の点数、既存の若人の点数との関連もあるのでそれと一括して整理させていただくという提案をさせていただきました。「基本的にその方向でよろしいのではないか」というご意見を頂いたと思っています。

 ▼ 発言したのは支払側の白川修二委員(健保連常務理事)、診療側の鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事)の2人だけだった。特に反対意見は出なかった。


【目次】
 P1 → 保険医療材料専門部会 ─ 平成22年度保険医療材料制度改革の骨子(案)
 P2 → 総会① ─ 医療機器の保険適用
 P3 → 総会② ─ 先進医療
 P4 → 基本問題小委員会① ─ 後期高齢者に係る診療報酬
 P5 → 基本問題小委員会② ─ 長期入院患者に係る診療報酬(資料説明)
 P6 → 基本問題小委員会③ ─ 長期入院患者に係る診療報酬(論点)
 P7 → 基本問題小委員会④ ─ 長期入院患者に係る診療報酬(支払方式)
 P8 → 基本問題小委員会⑤ ─ 処方せん等の変更
 P9 → 基本問題小委員会⑥ ─ 地域特性への配慮
 P10 → 基本問題小委員会⑦ ─ 宿題事項

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