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何を恐れる? 公開するかで再び悶着 PMDAアンケート 薬害肝炎検討会


 堀内龍也・日本病院薬剤師会会長
「トータルとして何を抽出するかでないか。委員が全部読みこむのは大切だが、それをそのままの形で出すというのは難しいのでないか。担当者が整理して出すべきだ」

 委員の元には既に生データが行っているということだから、要は傍聴人に見せたくないということになるのだろう。

 堀明子・帝京大講師(医師、元PMDA審査官)
「もっと醒めた意見しか来ないかと思ったが、皆がいかに真剣に考えていてくれたかと胸が熱くなった。資料の出し方は色々な考え方があるんだろうが、しかし今日のペーパーだけでは入れきれていないものがたくさんある。見る立場によって都合よい解釈をしてしまう危険性があるので、これだけの声をできるだけ取り上げていただきたい。回答の中に、まさに委員たちが興味半分に聞き置くんじゃなくて、現場にフィードバックしてほしい、社会への働きかけをしてほしいという声があった」

 高橋千代美・日本製薬団体連合会安全性委員会委員長
「小野委員は99.999%と言ったが、私などから見ると、かなりの確率で誰が答えているか分かる。どういう薬の審査に当たっている人か分かる。このアンケートを出したら個人が特定されてしまうのでないか。マスキングとか抽出の仕方についても、私などからすると製薬会社とのやりとりに目が行ってしまうというように、見る人によってアンケートの取り方は変わってしまうだろう。マスキングには十分に注意する必要があるし、そうでないなら、いっそのこと全部ストレートに出してしまったらどうか」

 寺野
「気になるのは、回答者たちにどういう説明をしているかだ」

 森嶌
「個人が特定されないよう全体の集計のみに用いる、と書いてある」

 小野
「それは違う。アンケートをやる前提が公開だったはずだ」

 花井十伍・『医療と人権』理事(薬害HIV被害者)
「これは、仮説を実証するためのアンケートじゃなくて質的データ。公開を前提にしないならナンセンスだ」

 小野
「全て報告書に掲載し、報告書は厚生労働省のホームページに掲載すると書いて送っている」

 花井
「だったら、逆に公開しない方が約束に反するではないか」

 間宮清・前いしずえ事務局長(薬害サリドマイド被害者)
「私も、アンケートに答えてくれた人のためにも公開すべきと思う」

 寺野
「この問題を議論していると時間がなくなってしまうので、ここは私に預からせていただけるだろうか。今の話を聞く限り、公開しないわけにいかないのかなと思うが、しかし取り扱いは検討させてほしい」
 

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