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ドラッグ・ラグ解消策で、ドラッグ・ラグが加速? ─ 「薬価維持特例」に難題

■ 「本当に有識者かどうか分からないような人もいる」 ─ 嘉山委員
 

[嘉山孝正委員(山形大医学部長)]
 ここで具体的なことをちょっとお話しすると、私も文部省のいろんな審議会、有識者会議のような所に入っています。現在も(委員として参加して)いるんですけど、今までの有識者会議の(委員の)選び方がほとんどまあ......。

 ちょっと言葉は(悪いので)また......、(支払側委員の)白川先生に叱られるかもしれませんが、いわゆる"御用学者"という人たちが(有識者会議の委員に)入っていることが多くてですね、きちんとしたことがされていなかった。

 舛添(要一・前厚生労働)大臣の時から、大臣が指名した委員が入って、かなり具体的な国民の目線で(医学部の定員増など)いろんな施策ができたと私は思っているんですけれども......。
 また、(有識者会議の委員の)選定の基準をですね、まあ......、ちょっとあまり言葉は良くないんですけれども、"御用学者的"な人を選ばないで......。

 「有識者会議」と言うと何となくみんな思考停止になりますけれども、本当に有識者かどうか分からないような人も入っていることも多いので、その辺の担保をちゃんとしていただきたいと思うんですよね。どうですか? ちゃんとした人、みんなが納得するような人を選べますか?

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 これはあの......。そういうご意見があったということでですね、まあ......、あの......、保険局の薬剤管理官がそこまで言える立場ではないというふうに思いますので......。ご意見としては非常によく分かります。

 で、ちょっと整理させていただきたいんですけれども、嘉山委員のご指摘の非常によく分かりますが、一方で、そもそもこの価格の維持をする目的というのは、やはり未承認(薬・適応外薬)の解消ということでありますので、「期待したほど未承認薬が解消されていないではないか」という一方の考え方があるわけなんですね。

 そこの所を、実はきちんと詰めずにこの制度を入れています。従って、これ(新薬創出・適応外薬解消等促進加算)は試行的(導入)なんですね。
 そういう意味で、実際にどういうものが各製薬会社に要請されるかということも含めて試行の過程で我々が厳しくチェックをして、継続するのかどうかということを調べるということではないのかなあというふうに思うんですよね。

 (牛丸聡委員が挙手したが)嘉山委員、どうぞ。

[嘉山孝正委員(山形大医学部長)]
 先生のおっしゃっる通りなんです。試行的(導入)なんですが、その試行のために......。(医薬品の承認審査を行う)PMDA(医薬品医療機器総合機構)は年間わずか70しか、あれなので(審査できないので)、本当に必要な薬が後回しにされちゃう可能性があるんですよ、この制度(新薬創出・適応外薬解消等促進加算)で。

 ですから、そこをきちっとしておかないと患者さんが本当に困りますよ。抗がん剤にしても何にしても、今はもう本当に(早く承認を)通したいというのがあるわけで......。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 はい、よく了解しました。つまり、必要性の高いものから優先的に......、ま、そういうようなことを「有識者会議」で考えるということを事務局(保険局医療課)が答えたわけですけれども、ま、いわゆる"御用学者"がいて、そういう優先順位にならない可能性があるからそこら辺は注意しろという、そういうご意見だと。

 そのように承りましたので、そのような声があったということをしかるべき部署にお伝えいただければと思います。それでよろしいですか、嘉山委員。

[嘉山孝正委員(山形大医学部長)]
 確実にやっていただければ。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 ということですので、よろしくお願いいたします。今のことに直接関連して何かございますか? 

 ▼ ここで先ほど挙手した牛丸委員の発言に移り、この議論は終わったかに思えたが......。

 (牛丸委員が挙手)

 そうですか......、じゃ、(嘉山委員の発言の)関係で牛丸委員、お待たせしました。

[牛丸聡委員(早稲田大政治経済学術院教授、公益委員)]
 関係があるかどうか......。


【目次】
 P2 → 「平成22年度実施の薬価算定基準等の見直し案」を提示 ─ 厚労省
 P3 → 「ドラッグ・ラグはさらに進む」 ─ 嘉山委員(診療側)
 P4 → 「本当に有識者かどうか分からないような人もいる」 ─ 嘉山委員
 P5 → 「有識者会議が一体どういうものか説明していただきたい」 ─ 牛丸委員(公益)
 P6 → 「政務三役に説明して了解を得ながら進めていく」 ─ 薬剤管理官

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