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ニュース〜医療の今がわかる

医療機関の情報公開と患者のプライバシー

■ 「現状では賛成できないが、賛成したい」 ─ 渡辺委員
 

[渡辺三雄委員(日本歯科医師会常務理事)]
 (神妙な面持ちで)前回......、歯科を代表して(明細書を発行する環境の整備が大変厳しい状況にあることなど)お話を申し上げました。今、白川委員からお話がありましたが、長年にわたってこの......、(明細書の無料発行を)提示されてきた......。
 1号(支払)側の皆さんのお考え、気持ち......、十分に理解しています。(医療事故や薬害を防ぎたいという)勝村委員の立場、気持ちというものをよく理解しております。

 (一転、明るい元気な声で)その一方でですね、同じように歯科を代表する私としてはですね、歯科の現状、それから本当に効率的な情報提供はどうあるべきか、そういうものを踏まえて、これ(厚労省案)をそのまま......、前回の段階では「賛成」と言うことはできないということで、前回お話を申し上げました。
 しかしまあ、こういう状況、これは医療全体にかかわることでございますので、「歯科だけは」という形にはなかなかいかないということはよく理解しておりますので......。

 私としてはですね、この制度が進めば......、それはあの、約7万の歯科の診療所すべてがこの網にかかっていく。今は、オンラインが規制されていない。まだ余裕、期間がある診療所もたくさんありますけれども、いずれそれ(レセプトオンライン請求)になるわけですね。そういう状況の中で、「そのままの現状では賛成できない」という私の立場もですね、まずはご理解いただきたいと思います。

 そういうことで何点かですね、基本的なところ、歯科の診療所の、非常に小規模な歯科診療所の状況を理解し、今後またしっかりと調査、検討するということをですね、皆様方に理解していただけるのであれば、原則、この方針を導入していくということに賛成してもいいかなと思っております。

 そして、今日ですね、まあ、ちょっとの時間を頂いてですね、歯科の立場をご説明させていただきたいと思っています。まず最初に、現在オンライン化しているのはわずか0.6%という非常に少ない状況。で、オンラインを全くしない方向でいるのではありません。日本歯科医師会としてもですね............。(中略)

 ▼ この後、約5分間にわたり延々と演説が続く。途中、離席する傍聴者もあり、無駄とも思える時間が流れる。ある公益委員は疲れたような表情で眼鏡を拭いている。そういえば、最近の中医協は「議事録に残しておいて」という発言が目立つ。「言うべきことは言った」という"アリバイづくり"はそれぞれのお立場上、必要かもしれない。しかし、厚労省案を追認するだけの会議に飽き飽きしている傍聴者もいるはず。現在の中医協は、いろんな匂いのガスが出ているだけ。

 そういうことで......、(ようやく終わったと思いきや) もう1点、あります。それはですね......、そこでぜひぜひ、今後に向けて、検討課題として大変重要だと思うんですが......。これ(明細書)を出すことによって、患者さんがしっかり中身が分かります。それは非常に良いと思います。(中略)

 ▼ 他の委員は雑談している。

 ......そういう診療報酬体系のですね......、きちっと、そういう整理をですね......、していくことが今後の課題として必要ではないかというふうに考えます。まあ、こうしたことをですね、今後......、おー......、していく中で導入する、原則導入することについては......、あー............、まあ......、(笑顔で)「賛成したい」という気持ちであります。以上でございます。

 ▼ 日本の歯科医療は大丈夫だろうか......。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 はい、ありがとうございます。それでは、嘉山委員、どうぞ。


【目次】
 P2 → 「大きな枠組みは前回提出したものと同じ」 ─ 厚労省
 P3 → 「この案で2号側の先生方のご了解を得たい」 ─ 白川委員(支払側)
 P4 → 「現状では賛成できないが、賛成したい」 ─ 渡辺委員(診療側)
 P5 → 「国家が責任を負う制度にしていただきたい」 ─ 嘉山委員(診療側)
 P6 → 「現場の忙しい医療機関に負わせるのは大変」 ─ 邉見委員(診療側)
 P7 → 「今後何が起こるか非常に不安がある」 ─ 鈴木委員(診療側)
 P8 → 「より分かりやすいものを段階的に検討する必要がある」 ─ 三浦委員(診療側)
 P9 → 「私は賛成する立場で特に何も問題はない」 ─ 安達委員(診療側)
 P10 → 「綺麗にしていこうと努力する情報開示の力がきっとある」 ─ 勝村委員(支払側)

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