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ニュース〜医療の今がわかる

「再診料等に関する公益委員の提案」 ─ 遠藤会長の説明

■ 「限られた財政枠の下で一定程度下げざるを得ない」 ─ 公益裁定案
 

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 今回の改定では、医科において初めて入院・外来別の改定率が示された。中医協でも数々のご意見があったことは承知しているが、中医協としてはこの枠内での対応を検討するという形にならざるを得ない。

 医科外来については0.31%、医療費ベースで約400億円という制約の下で、一定の適正化(引き下げ)も行いつつ、社保審の(医療部会と医療保険部会の)基本方針で示された「重点課題への対応」、また前回改定以降の宿題である「外来管理加算の要件の見直し」、また長年の課題である「再診料の病診統一」という3つの課題に応えていく必要があると考えている。

 いずれも費用増を伴うものであり、限られた財源の中では一定の調整をせざるを得ないが、公益としてはこれらの課題に対応するため、基本的な枠組みとして次の通り提案したいと思う。

1. 重点課題への対応
 (国民に安心を与える医療を実現していく観点から)小児救急外来(の充実)、在宅医療、訪問看護(の推進)、新規技術の導入などの重点課題については、中医協でも両側の合意を得て先行して議論してきたが、これらを評価していくことについてはこれまでの議論においても合意は得られていると判断し、(基本方針で示された重点課題について)財源を優先的に配分することとする。

2. 外来管理加算の見直し
 外来管理加算の算定要件における(時間の目安)、いわゆる「5分ルール」を廃止することについては、中医協としての合意は得られていると考えるが、これに代わる要件についてどのようなものが適切か、種々のご議論があったところである。

 (診療所の立場を代表する)安達(秀樹)委員(京都府医師会副会長)からは、いわゆる「お薬外来」を排除することを明示してはどうかという提案もあり、一昨日の事務局(保険局医療課)から、これに加えて(十分な説明と不十分な説明に関する)いくつかの例示も示されたが、これらを精査しつつ、この「5分ルール」が設けられた趣旨である懇切丁寧な説明に対する評価をより明確化する観点から適切な要件を(追加することを)考えるよう事務局に指示をした。

 具体的な内容については配布資料を......、これ以降、配布される形になりますが......、あ、配布されておりますね。配布資料の通りである。

 外来管理加算については以上の要件の見直しを行うこと、および次期改定において再診料との関係も含め、本加算の在り方を検討することを前提に、現行の点数(52点)は据え置くこととする。

3. 再診料の見直し
 次に再診料の見直しですが......、これまでの中医協の議論の中で、1号(支払)側は(同一のサービスは同一の価格という)「一物一価」を主張し、2号(診療)側も「71点」であることを条件とするも病診の統一価格を主張していることなどから、医療における患者から見た分かりやすさ、納得という観点から、同一のサービスについては同一の価格にすることが適切であるということが大きな方向として、合意は得られていると考える。

 既に、初診料については病診が統一されていることもあり、今回の改定では再診料についても病診の統一を行うこととする。具体的水準については、これまでの議論の中で、

 ① 限られた財源の中での対応を考えると、現行の点数の中間点、具体的には66点で統一するのが適切ではないかという考え方がある。

一方で、

 ② そもそも再診料は診療所にとって収入の1割を占める基本料的な性格を持つものであり、引き上げ改定の下で、現行の71点を下げることは認められないという意見もある。

 その結果、両者の歩み寄りが見られなかった。両者の主張はそれぞれ理解できるものの、先に述べた重点課題への対応、および外来管理加算の見直しに伴う費用増の予測困難性を鑑みれば、限られた財政枠の下では、診療所の再診料は一定程度下げざるを得ないと判断した。具体的な水準については財政影響を考慮しつつ、69点とする。

4. その他
 その他の事項として、上記のほかに明細書の発行や(休日・)夜間において患者の不安に応える体制を整えている診療所の取り組みについて、これまでの中医協における議論も踏まえ、一定の評価を行うこととし、これらについても具体的な点数や要件設定を行うことについて事務局(保険局医療課)に要請をする。

 以上が公益の案でございます。ご意見を承りたいと思いますので、1号(支払)側、何かございますでしょうか。白川委員、どうぞ。(以下略)

別室協議2010.jpg ▼ 白川修二委員(健保連常務理事)は公益案を受け入れたが、診療側の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は「医療崩壊の拡大を危惧する」などと強く反発。「個人診療所を代表する私の立場としては、この裁定を許容することは到底できない。非常に強い抗議の意思を持って退席させていただく」と述べて席を立った。
 その後、すぐに鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事)も安達委員の後を追う形で退席し、診療側委員の控え室に移動。嘉山孝正委員(山形大学医学部長)が「2号側で協議したい」と申し入れ、一時休会となった。診療側委員は約25分間にわたり別室で協議した後、再び会場に戻って総会が再開。公益案に従い、「かかりつけ医加算」(地域医療貢献加算)や「明細書発行体制等加算」などの審議が進められた。

 
 
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【目次】
 P2 → 「事務局とも相談して真摯に検討した」 ─ 遠藤会長
 P3 → 「限られた財政枠の下で一定程度下げざるを得ない」 ─ 公益裁定案

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