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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼4 高畑紀一・細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会事務局長


村重
「他のワクチンについても、まだ承認されていないものとか、承認されていても定期接種の方に入って行かない、だからあまり知られていないとか広まって行かないという状況があると思うんです。なかなか進まないですよね。私がアメリカで研修した頃には普通にHibワクチンを接種していました。ワクチンの接種スケジュールも日本と全然違うんですよね。小児科ではないからあまり深く関わっていたわけではないですけれども、ERに患者さんが来る中で、やっぱりウイルス性髄膜炎はあるかもしれないけれど、細菌性なんて滅多にないだろうというイメージを持っていました。でも日本に帰ってきたら、全然ワクチンが普及してないんですよね。それで多くの方がこれだけご尽力して来られて、でもなかなか定期接種へは動かない」

高畑
「私自身、長男の予防接種を受ける時に定期接種のものを受けていれば、それで十分なんだという認識だったんですね。水痘ワクチンとかが任意接種のものとしてあるということは知っていたんですけれども、任意だということは打つ必要性が低いんだという認識でしたし、家内に打とうかと言われた時も、別に打たなくてもいいんじゃないという回答をしていたぐらいなんですよね。この活動をしていて非常に感じるのは、そういう認識をされている方は非常に多いと」

村重
「法定接種があるがゆえに、逆に任意のものは余り打たなくてもいいように思えてしまうということですね」

高畑
「定期は必要なもの、任意は必要じゃないものという意味合いで勝手に感じ取ってしまうと思います」

村重
「そういう悪影響がありますね」

高畑
「あと、任意のものに関して、行政サイドはほとんど情報を伝えません。行政の方の立場からすれば、当然伝えられないということなのかもしれないんですが、Hibワクチンがありますよ、生まれて2カ月から接種できるんで、小児科の先生と相談してくださいと、そういう話が基本的になされないですね。そうすると一番危ない罹患の確率の高い時期に、全く情報に接することもないまま、実はワクチンがあったのにという疾病に罹って初めて知るということが、未だに繰り返されていますので、やはり定期だ任意だという括りは根本的に改めないといけないなという風に思っていますね」

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