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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼9 小山万里子・ポリオの会代表(中)


村重
「会報にも載っている、全国の医療機関やリハビリ施設の情報は、長年積み重ねて来られたものですね」

小山
「そうですね。一人ひとりの患者が積み重ねてきたことです。ポリオを理解し診て下さる先生との出会いと関わりを大事にしています。私が最初に入院した病院で担当医が、あの先生はアメリカでポリオの筋電図の研究をしたそうだよと教えてくれたので、そこを訪ねて行きましたら、僕はポストポリオは認めないのだよねと言われまして。でも筋電図を測ったら、たしかに異常はあると。その先生の所へ何人かポストポリオ患者が行きましたら、私の時には『認めないのだ』、2人目の時には『認めないのだけれど、リハビリ科を紹介してあげるよ』、3人目が行った時には『あなたポストポリオだ』と」

村重
「やっぱり何人か診るうちに目の前の現実が見えてくるのでしょうね」

小山
「患者が、医者が何でも知っていると思いこんじゃいけないのですね。何でも、患者と医者との共同作業で、患者も医者に自分の病を知ってもらう努力をすべきだということだと思います。医師が関心を持ってくださるように、患者も努力が必要ですし、積み重ねですね」

村重
「そう言っていただけるとありがたいですね。医者の側も、患者さんに教えてもらうことが、こんなにたくさんあるのだということを、みんな経験しながらやっていると思うので、そういう風にしていただけると本当にありがたいです」

小山
「受診する側の問題としては、お医者様は黙って座ればピタリと当たる易者ではない、と。自分のこれまでの症状をいかにきちんと伝えられるかということが本当に重要だろうなと思います」

村重
「時々、遠慮されたり、恥ずかしがったりして、ハッキリ仰らない方がいらっしゃいます。気持ちはすごくよく分かるんですけれど、でも本当に正しく診断するとか、患者と医者との共同作業で道を開いていくという意味でも、ぜひ情報をたくさんいただきたいのです。どんな症状があったかはっきり覚えてらっしゃらない場合も多いので、気付いた時にメモをとっておくといいですよね。こういう症状があったとか、こういう時に痛みが出るとか、今日の外来受診ではこれを聴きたいというようなメモを持ってきていただけるといいなあと思う時もあります」

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