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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼15 長尾和宏・長尾クリニック院長(4)

4回目です。

長尾
「今は在宅とかもやられてるんですか」

村重
「在宅はないですね」

長尾
「色々な診療されたら、また変なところがいっぱい見えてきますよ。在宅へ行くと何が変かというと、医療じゃない。医療と介護、要するに異文化との交流になるんで、医療は非営利でこっちは営利そのものということで、摩擦がバンバン生じていて」

村重
「そこもある意味仕方のない部分でありつつ、やっぱり医療の世界って、すべて診療報酬で決められて、値段を自分たちでは決められない、つまり患者さんのニーズに応えて患者さんにとっての価値を生み出すインセンティブがないんです。これはいいぞと患者さんに思ってもらったとしても、何もお金は増えないわけですよ。つまりどんなに頑張ってもお金は増えないわけですよね。それでもいいから一生懸命患者さんのために尽くすというのが当たり前になっていて、それはとってもいい面ではあるんですけど、同時に、国がルールを決める、国が値段を決める、国がやり方すべてを全国一律に決めることに慣れてしまって、違うやり方があってもいいはずだとか、患者さん一人ひとり違うんだから全国一律ルールなんか作ったら困るじゃないかという発想をできなくなってしまっているような気がします。ちょっとそこは表裏一体でどっちがどっちという風には分けられないんですけど、でももうちょっと多様性というか患者一人ひとりこんなに多様なんだからルールが一律でなくてもよいと、一人ひとりに合わせてもっと多様な柔軟な対応をできるような緩いルールにするということですよね」

長尾
「先生が言うと本当に説得力があります。僕らとは全然違いますわ。だからそれを大きな声で言ってほしいですね。日本医師会でもいいし、中医協でもいいですし、色々な所に行かれて言っていただいて」

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