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ニュース〜医療の今がわかる

DPC病院のグループ化、報酬格差を付ける意図はない?

■ 「グループで分けた方が適切」 ─ 厚労省


[保険局医療課・迫井正深企画官]
 補足を......、若干させていただきたいのですが......。

 鈴木委員(日医常任理事)ご指摘の点で、私ども、少し気になっているので明確にさせていただきたいのですが、7ページのイメージ図のオレンジの所(基礎係数)......。
調整係数見直し後0113.jpg どうやって「基礎係数」を設定するのかと言いますと、「(医療)機関群」、そのグループごとで診療報酬ごとの......。

 まあ、診断群分類ごとで当然違いますけれども、いわゆる(全医療機関の1日当たりの平均請求額である)「基礎償還点数」......、平均点です、平均値。1件当たりの診療報酬単価を......。

 今までですと、全ての施設、(DPC対象病院)1390を平均する形で取っていて、かつそれが前年度の診療報酬を保証するという形で運用してきました。ですから、前年度並みの報酬を参照するというシステムをやめることと......。

 それから、もう1つのポイントで、各施設ごとの診療報酬、平均単価を前年度......。一番直近の出来高報酬の平均値で出しますと......。

 ですから、申し上げたいのは何かと言いますと、各グループごとに分けたとしても、基本的にはそのグループ内の出来高相当の平均値に設定いたしますので、基本的には出来高並びの平均値の診療報酬はある意味......、少なくとも保証される形になりますから......。

 ▼ 100点満点のテストで100点の人にとっては、平均点60点で統一されたら「保証」ではなく「減点」になるのではないか? 私の頭が悪すぎ? 

 著しく、そういったバラツキが医療機関ごとであれば、「(医療機関)群」の中であれば、それは不適切なグルーピングかもしれませんけれども......。

 ▼ 例えば、「東大受験グループ」と「中堅私大グループ」とを同じクラスに入れてはいかん、という感じ?

 ご懸念のような弊害は、むしろ......。全体を一本にするよりはむしろグループで分けた方が適切な対応ができるのではないか。

 ▼ 「優等生」と「落ちこぼれ」のグループとを同じ評価にするとは思えない。やはり「階段状」にするのでは?

 そのアイデアの根底にあるのが、(資料・総─3─2の)5ページ(施設特性の反映)......。いろんな施設の規模とか体制で......。

 ▼ 「規模」はベッド数で、「体制」は常勤医師や看護師の配置数を指すことが多い。

 恐らく、報酬単価を反映しているであろう「調整係数」が一定の傾向をもってバラツキがあるということですから、むしろこれを一本にしていろんな議論をするよりは、一定程度、規模でも何でも、それは今から議論していただくことですが......。

 そういったグルーピングをする方がむしろ合理的ではないか、こういう趣旨でございます。

 (鈴木委員が挙手)

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 連続している話であれば、鈴木委員、どうぞ。

 ▼ 鈴木委員の疑問にまだ答えていないと思うが......。

[鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)]
 考え方は分かったんですが、要するに、「医療機関群」の分け方が問題だということだと思うので......、これを見てですね、また......、判断させていただきたいと思いますが......。

 それとは別に、出来高もですね、結局はコスト分析して(診療報酬を)決めているわけじゃないから、出来高がやっぱり基礎になっているわけですから......。

 これ(出来高)が重要であるということの認識は持っていただいた上でのDPCということを......、ご認識いただいた上で進めていただきたいと思います。ありがとうございました。

 ▼ 最初は勢いがあったが、一気にトーンダウンしてしまった。「進めていただきたい」という発言は、「大筋で賛成」と解釈されるだろう。分科会で検討が進んで再び中医協に戻ってきたときに文句を付けても弱い。それはあくまでも各論部分に対する指摘、要望にしかならない。そういうことを各委員が分かっていないはずはないので、「単なるポーズにすぎない」とか、「審議会は茶番」などと言われちゃうのだろう。
 テープ起こしをしながら、「こんなことをやる意味あるのかな?」なんて思ってしまう。しかし、診療報酬に関心を持たない勤務医の先生方にはぜひ見てほしい。医療者の代表が中医協でどう振る舞っているのかを知ってほしい。
 「日本医師会は駄目だ!」と言いながら日医会員として高い会費を払っていたり、「厚労省はケシカラン」と言いながら自院の立場を代弁してくれない病院団体に加盟していたりする。医療界の外側にいる者として、それが理解できない。でも、それが世の中というものか......。大きなもの、強いものには逆らえない。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 北村委員、どうぞ。
 

【目次】
 P2 → 「私どもで資料を作らせていただいた」 ─ 厚労省
 P3 → 「今後さらに具体化の作業を進めたい」 ─ 西岡分科会長
 P4 → 「新しい提案であり一番議論になるだろう」 ─ 遠藤会長
 P5 → 「ぜひやっていただきたい」 ─ 西澤委員
 P6 → 「22年度改定後は白紙との決定だった」 ─ 厚労省
 P7 → 「意図的に階段状にする趣旨ではございません」 ─ 厚労省
 P8 → 「やはり基本的な部分がある」 ─ 厚労省
 P9 → 「中小の医療機関にとってさらに厳しい」 ─ 鈴木委員
 P10 → 「グループで分けた方が適切」 ─ 厚労省
 P11 → 「図の調整係数があまりにも大きすぎ」 ─ 北村委員
 P12 → 「どうやって『基礎係数』を決定するのか」 ─ 嘉山委員
 P13 → 「差があることが実は健全ではないか」 ─ 嘉山委員
 P14 → 「特定機能病院だから一塊ではない」 ─ 西岡分科会長
 P15 → 「検証の仕方が足りないのではないか」 ─ 嘉山委員
 P16 → 「調査、分析については合意が得られた」 ─ 遠藤会長


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