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「慢性期にも十分なリハビリを」―認知症患者の介護家族の声②


■在宅の不安は「一人」であること
 
――6か月して出ざるを得なくなって、在宅への不安はどうでしたか。
 
救急病院にいる時は、退院する頃には元気になると思っていたから怖くなかったけど、3つ目の病院で「この状態で帰るんだ」と思うことが一番怖かったです。退院する時は、お風呂以外は全部自分で世話をしていたのですけど、在宅に戻って一人になると思うととても怖かったです。入院中は呼べば看護婦さんがいるけど、家では相談できる人もいなくて独りぼっちです。
 
――独りになるということが一番不安だったんですね。リハビリについてはどう考えられていたのですか?
 
入院中に、植物状態の人を復帰させた「音楽運動療法」というものがあると新聞で知ったので、片道2時間半かけて行ってその方に話を聞きました。そして在宅でできるやり方を教えてもらいました。今では毎週水曜日にやっています。家にそのためのソファを置いて主人を座らせて、周りに私や先生が付いて支えます。そして本人の好きな音楽を生演奏して、手をたたいたりして、楽しい気分でバウンドするように、上下運動させるんです。主人は石原裕次郎が大好きでカラオケもよく歌っていたのですが、「夜霧よ今夜も有難う」とか、本人が楽しい気分になれるものをかけます。それを3曲分やってから、次に1m60cmのボールの上に体を乗せて揺らしながら、リラックスさせて終わります。歌を歌いながら、周りに頑張れと言われて笑っている、これは脳にすごく刺激があるんだと思います。そういう楽しくて明るい雰囲気がいいんだと思います。
 
――そんなリハビリがあるんですね。他のリハビリもされているんですよね?
 
訪問リハビリでは、ベッドの上での寝返りや風船バレー、ボール投げ、拘縮伸ばしとか。主人は人の鼻をつまむのが好きなんです。先生が主人の横に寝ると、主人は鼻をつまもうとするので自然と前かがみになりますよね(笑)。本人がやりたいことをやってリハにつなげているのが、すごいところだなと思います。ただ立っているだけならつらいけど、楽しいことで立つなら長くてもつらくないです。
 
――ご主人が楽しんだり、好きなことをしてリハビリになるようにされているんですね。
 
別の作業療法士の先生からは、右肩の麻痺を取ったらむせることがなくなると言われて、できるようにリハビリを色々してもらったんです。そしたら本当にむせなくなって、すごく驚きました。
 
――本当に色々なリハビリをされているんですね。週に3回になりますか?
 
月曜日に介護保険の訪問リハ、水曜日には音楽運動療法、金曜日には市立の福祉センターに通っています。土曜日にはデイサービスに行っていて、少し休ませてあげないといけないかもしれませんね(笑)。
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