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「慢性期にも十分なリハビリを」―認知症患者の介護家族の声②


■楽しめるリハ続けたら、「明美さん」
 
――ご主人の状態は在宅リハを続けられて、どんなふうに変わられたのでしょう?
 
家に帰ってから8年目に、初めてしゃべってくれたんです。お風呂から上がってバスタオルで体を拭いていたら私を指さすので、答えるわけないわと思いながらも「この人誰なん?」と聞いてみました。そしたら「明美さん」と言うんですね。私は驚いて「えーっ、しゃべったやん。もう一回言うてよ」と言ったら「もう言うたやん」と。「明美さん」という言葉はヘルパーさんたちが私の名前を呼ばせようとして色々してくださっていたので、それほどびっくりしなかったのですが、「もう言うたやん」という言葉の方にびっくりしてしまって。
 
――普通に会話しているような調子ですね(笑)。
 
それからは次々に言葉が出てくるものだと思っていたら、新しい言葉は一年に一回しか言わないんです。翌年に「裕ちゃんの歌を歌いに行こうか」と言ったら、「難しいねん、あんまり」と。その一年後には、くわえていたタオルを私が引っ張ったら「あほか」(笑)。それから、3日間続けて介護者の仲間としゃべったり、勉強会に出ていたりしたら、帰ってから「ひとりぼっち、ひとりぼっち、ひとりぼっち」と3回嫌味を言われたんです(笑)。今年はお風呂に入れようと布団をはがすと「しばくぞ」と言われたので、怒らせたらきっと何か言うと思ってあの手この手とやってみたら「あ~、もう歯がゆいな~」と言われてしまいました(笑)。今は体力がついてきたので、できなかったことがどんどんできるようになって、頭を上げたり自分で起きようとしたり、椅子に座ってくるっとまわったり、色々なことができるようになりました。
 
――すごいですね。これ以上は動けない、話さないと思われていたのに、どんどんそうやって話されるようになって、嬉しいですよね。
 
本当に感動して、とても嬉しいです。たとえ直接的なリハビリにならないとしても、訪問リハの先生に来てもらって関わり合うことも大事だと思います。おばあちゃんも若い先生が来ると思ったらお化粧をしたり、気分もウキウキしてくるでしょう。今ある制度の中だけのリハビリでは足りないと思います。介護保険でもデイケアはありますけど、明らかに先生が足りないから、全員を見れていません。何一つ触ってもらえないこともあるし、先生も一人しかいないので、きちんとできないとつらそうに仰っていました。病院のリハビリもできなくなるならなるで、地域できちんと慢性期のリハビリを受けられるようにしてから地域に帰してもらいたいです。それに、うちのような場合だとすぐにリハビリを思いつきますが、認知症の方は少しずつ体力が弱くなっていかれるので、早いうち取り組んでいけるようにすることも大事ではないでしょうか。
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