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厚労省の「医師密度」案に異論噴出

8月1日のDPC評価分科会.jpg 「東大が一番得をするんだろう」「医師の獲得合戦という変な方向になりかねない」─。厚生労働省は医師がたくさんいる大病院に高い報酬を設定する「医師密度」という基準を提案しているが、異論が噴出している。(新井裕充)

 自公政権下の「社会保障国民会議」の最終報告(2008年11月4日)で示された医療・介護のシミュレーション、それを引き継いだと言われる現政権の「社会保障・税一体改革成案」でも高度急性期を重点的に評価する方向性が見える。

 全国8650病院のうち、急性期病院の代名詞である「DPC対象病院」は約1400施設。厚労省はこれをさらにグループ化して、トップランナーの「医療機関群」を選別する作業を進めている。その要が「病床当たりの医師密度」という基準。

 来年4月の診療報酬改定に向け、8月1日に開かれた中央社会保険医療協議会(中医協)のDPC評価分科会で厚労省は、「一定の機能や実績の要件を満たす一定以上の医師密度・診療密度の医療機関について、独立した医療機関群として設定することを検討してはどうか」と提案したが、委員から異論が噴出した。

 瀬戸泰之委員(東京大大学院医学系研究科消化管外科学教授)は、「東大が一番得をするんだろうが、その『医師密度』の中に研修医を入れていいか、入れるべきかは個人的に疑問」と指摘。酒巻哲夫委員(群馬大医療情報部教授)も、「5年目までの医師の獲得合戦という変な方向になりかねないということも念頭に入れた上で、という部分もやはり必要になるのではないか」と述べた。

 また、地方の中小病院の立場から、「大病院がない地域で、受けざるを得ない所で頑張っている所を何らかの形で適正に評価しないと破綻する」(金田道弘委員・社会医療法人緑荘会理事長兼金田病院長)との意見もあった。

 詳しくは3ページ以下を参照。

具体的な要件のイメージ.JPG

【目次】
 P2 → 厚労省の説明
 P3 → 「医療政策上のメリットを具体的に述べて」 ─ 齊藤委員
 P4 → 「線引きを検討すること自体が問題である」 ─ 池上委員
 P5 → 「高く付けるという誘導的な資料はどうなのか」 ─ 三上委員
 P6 → 「他の視点があれば今後検討して」 ─ 嶋森委員
 P7 → 「初期研修医を医師密度に入れていいのか」 ─ 瀬戸委員
 P8 → 「5年目までの医師数が一番評価しやすい」 ─ 伊藤委員
 P9 → 「医師の獲得合戦という変な方向も」 ─ 酒巻委員
 P10 → 「ファクターを満たす実態が伴った医師密度」 ─ 厚労省
 P11 → 「重症救急の受け入れ率も非常に重要」 ─ 金田委員
 P12 → 「高度な技術は医師密度と関係ない」 ─ 美原委員
 P13 → 「地方の病院でも質の高い治療をやっている」 ─ 難波委員

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