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ニュース〜医療の今がわかる

医療計画への取り組み ~ 千葉県の事例 ~

■ 高齢者人口がどこで増えているか
 

【千葉県健康福祉部・井上肇理事】
 次のグラフです。この高齢化は日本一律に起こっているのではなくて、濃淡があります。どう濃淡があるかというのを示してみたのが、次のスライド4のグラフです。

医療計画(千葉県)-05.jpg

 平成17年~平成27年まで、目下の10年間で都道府県別に高齢者人口がどこで増えているかを目盛りやパーセントで示したものです。

 1位、2位、3位は東京を取り巻く3県です。この3県は人口2,200万人いて、高齢者の人口が5割です。1,000万人単位の人口で高齢者の人口が5割出ることは、いままでの人間の歴史では振り返ってみてなかったと言えますし、おそらくは今後もどこでも起こり得ない特殊な状況が、東京を取り巻く3県で起こっています。

 逆に45位、46位、47位に秋田、山形、鹿児島と書きましたが、いわゆる地方の県は今後大きな変化はありません。いま、なんとかなっていれば、10年後もなんとかなるというのが地方の県で、今後10年間大きな変化が起こるのが東京周辺の県です。このことを地図の上で、より視覚化してみたものが次のスライドです。

医療計画(千葉県)-06.jpg

 具体的に千葉、埼玉、神奈川をもう少し細かく見ると、目下の高齢化がいちばん著しく起こるのは、都心から半径10kmから50kmまでのドーナツ型の地域です。東京に通勤する人たちが住んでいる人口密集地で、県で言うと千葉、埼玉、神奈川ということになります。

 これは2005年~2015年までの高齢化の進展の速さを視覚化したものですが、特段高齢化が急なのは東京を取り巻く通勤圏の人口密集地で、今後5年、10年、15年という期間に医療の需給のギャップが大きく崩れる場所があるとしたら、日本の中ではこの地域がいちばん最初だろうと思い、日々緊張感を持って仕事をしている状況です。

 その隣の円グラフも別の観点から見たものですが、2005~2015年までの日本の高齢者人口の増加、総計800万人が都道府県別でどこで増えているかというものを表したものです。

 東京が10%、千葉・埼玉・神奈川の周辺3県を一括りにしましたが、そこで23%、次いで大阪、愛知で、この3大都市県だけで今後10年間の高齢者増加の約半分は占める状況です。日本の高齢化というのは世界の中でも際立つと言われますが、それは日本一律の問題ではなくて、実は都会の問題であると我々は認識をしています。
 

【目次】
 P2 → 千葉の保健医療課題等
 P3 → 今後の50年間が高齢化という観点
 P4 → 高齢者人口がどこで増えているか
 P5 → 首都圏3県の医療資源
 P6 → 医療提供維持のための千葉県の課題
 P7 → 千葉県取り組み事例①
 P8 → 千葉県取り組み事例②
 P9 → 千葉県取り組み事例③

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