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DPC病院の特性等に関する調査結果

■ 調整係数と各変数の相関係数
 

【松田晋哉委員(産業医科大医学部公衆衛生学教授)】
 前回の分科会で、調整係数の出来高換算点数のところで、何に対応しているのかという構造を少し分析しなさいという宿題をいただきましたので、少し分析をしてみました。診調組D-4という資料になります。

松田委員提出資料-01.jpg

 1枚めくっていただきますと、調整係数と各変数の相関係数というのが出ております。

松田委員提出資料-02.jpg

 これは、平成20年度に厚労科学研究のほうでやらせていただいたデータに基づいてやった結果であります。

 これは何をやったのかといいますと、DPC調査では様式1に加えてEFファイルというのを集めていますので、そのEFファイルから、各患者さんの診療区分別の出来高換算点数を求めました。

 それについてDPC毎にまず全体での平均を求めて、各患者さんの診療区分別の点数からその平均点数を引いて、患者さん毎に診療区分別に、全国平均からどのくらい乖離しているかというのを計算するという作業をやっております。

 それを医療機関毎に合計いたしまして、ただ、そのままですと症例数の多いところでその差額が大きくなるということがありますので、それを症例数で割りまして、1患者当たりで診療区分別の出来高点数が全国平均よりもどのくらい多くなっているかという変数をつくりまして、それを変数として調整係数との間の相関係数を求めたというのがこの分析であります。

 上から見ていただきますと、そのときには拡大様式IIIということで、研究班のほうで各医療機関の医師数でありますとか、どのような医療機関を持っているかということもやっておりますので、それを100床当たりの医師数、100床当たりの看護師数、100床当たりの研修医数という形で整理をしまして、それに効率性指数、複雑性指数を研究班のほうでもう一回計算し直しまして、それから1患者当たりのCT・MRI検査数、それからDPCの上の6桁の出現数、14桁の出現数、こういうものを変数として調整係数との関係を見てみたものです。

 見ますと、有利な相関がありましたのが、100床当たり医師数、100床当たり研修医数、こういうものが多い施設は調整係数が高いということで、これは以前、大学病院等で、研修医の数が多いところほど調整係数が高いというものと一致するデータであります。

 それから、効率性指数と複雑性指数につきましては、有意性は出ませんでした。

 1患者当たりCT・MRI検査数は非常に多いということで、やはり調整係数が高い病院では、1患者当たりのCT・MRIの検査回数も多いという結果になっております。

 それから、DPCの上6桁、病名で見ましても、14桁のコードで見ましても、出現数が多い病院ほど調整係数が高いという形になっています。

 以下、診療区分別の点数の差額の平均を変数としたものですけれども、調整係数と有意な差を持っていますのは、処方、注射、手術、手術は調整係数の計算が開発されていますけれども、手術の点数というのが関係しておりました。

 それから検査、画像診断、それから全医療費は当然でありますけれども、主に処方、注射、検査、画像診断というところが調整係数と大きな相関を示しているという結果になっております。
 

【目次】
 P2 → 施設類型等の概要
 P3 → 平均在院日数
 P4 → 入院経路
 P5 → 緊急入院の率・患者数
 P6 → 入院時の紹介率・退院時の紹介率
 P7 → 退院先の状況
 P8 → 転院の割合
 P9 → 退院時転帰の状況
 P10 → 再入院率
 P11 → 同一疾患での6週間以内の再入院の割合
 P12 → 調整係数と各変数の相関係数
 P13 → 重回帰分析の結果

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