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この高齢者住宅は、独居や身寄りのない方に低料金で入居してもらい、SWによるワンストップ相談を展開し、ちょっとしたこと(電球の交換・ごみ捨て・買い物などの生活相談)から、深刻なこと(病気のこと・家族のこと・最期の迎え方)まで、どんなことでも、入居者それぞれを担当する顔なじみのSWに相談できる体制を構築します。SWは適切な窓口につなぎ、時間をかけずに解決します。 「フローレンスガーデン」は、困ったり悩んだりせず、寂しい思いをすることもなく、プライベートを重んじつつも生きがいのある楽しい生活の構築をめざします。それができれば、遠方に住むお子さんにも安心していただけることでしょう。 このワンストップ相談は、これまでの福祉サービスのような上からの施しの気配を持つ措置ではなく、契約による有償サービスです。受任者は善良なる管理者の注意義務をもって、ことに当たらなければなりません。双方が義務を負う対等な契約です。利用者の権利が尊重されやすい形です。利用者によるフィードバックを受けてサービスが改善されます。 独居高齢者が増加の一途をたどり、同時に孤独死も増え続けています。ワンストップ相談には大きなニーズがあります。中間所得層を対象として有償にすることで、税金を使うことなく、大きなニーズに応えられます。貧困層への措置も改善されるかもしれません。ここで形ができれば、各地域に横展開していくこともできると思います。29LOHASMEDICAL第44回ナビタスクリニック理事長久住英二くすみ・えいじ●1999年、新潟大学医学部卒業。虎の門病院に勤務した後、東大医科研先端医療社会コミュニケーションシステム部門に所属、2008年6月、立川駅の駅ビル「エキュート立川」で開業。内閣府の規制・制度改革仕分け人でもあった。年12月13日14日に、東京・白金台の東京大学医科学研究所大講堂で、「現場からの医療改革推進協議会」第9回シンポジウムが開催されました。 私が客員研究員として所属する東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム部門で事務局を務めているものです。総選挙とも重なった慌ただしい師走の土日に、200人を超える医療関係者が集まり、朝から夕方まで、様々な現場の報告を聴き、また熱心に議論しました。 こういう催しは、とかく「大人の事情」に配慮して当たり障りのない内容になりがちですが、このシンポジウムにタブーはありません。 例えば2013年に発覚後いまだにきちんと決着の着いていない臨床研究不正問題について、追及してきた記者や大学へ公開質問状を出した学生に発表してもらい、日本医学会会長から感想を言ってもらったりしました。 タブーのない姿勢を貫けるのは、既存の枠組みの中で国や行政に何かをお願いするという発想ではなく、自分たちにできることを自分たちのネットワークで実現しよう、そのために知恵を共有しようと考えている人たちが集まってきているからです。 また、運営を手伝うため全国から学生が集まって来てくれているのも大きな特徴です。そして、その学生さんが何年か経って医療現場に立ち、今度は発表側に回るという例もどんどん出ています。その模様は、2月にユーチューブでも公開されるそうです。一度ご覧になってみてください。昨LOHASMEDICALVOICE