ロハス・メディカルvol.114(2015年3月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年3月号です。


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 筋肉は、以下の流れで強くなります。この流れが成立するためには、ダメージが強過ぎず、成長ホルモンが分泌されている修復時に材料となるアミノ酸などが筋細胞に十分供給されていないといけません。また、回復しきらないうちに次の負荷をかけない、つまりしっかり休息することも大切です。ダメージ(A) 筋細胞に傷がつきます。回復(B) 傷を負った筋細胞・筋繊維の修復が始まります。超回復(C-D) ダメージを負う前よりも筋繊維が太く強くなります。前回より強い筋細胞に傷がつき、修復が行われ、また少しだけ筋繊維が強く太くなります。超回復による筋肥大の流れ※1トレーニングの世界では、10RM(10回までならできるけれども11回目はできない強度)より強い負荷が筋肉を増やすのに最適と言われていますが、ケガをしたら元も子もないので、無理せず少しずつ少しずつ負荷を増やすようにしてください。※2筋肉痛には、組織内でイオンバランスが崩れることによって起きる即発性のものと、次項で詳しく説明する遅発性のものがあります。即発性の筋肉痛は相当に激しい運動をしないと起きないので、青年期を過ぎると関係なくなってきます。ていれば、筋繊維が元より少しだけ太く強くなります(超回復、コラム参照)。これが筋肉の増える一番基本的な原理です。高齢者の場合は、放っておくと筋肉は細る一方なので、同じメカニズムを利用して現状維持を図ることになります。 ただし、これもご存じと思いますが、1回や2回負荷をかけたくらいで実感できるほど筋肉が増えることはなく、週に2回か3回のペースで定期的に負荷をかけ続け、「超回復」を年月単位で連続させる必要があります。 「適度な負荷」と「継続」の二つを両立させることは案外難しく、多くの人が挫折する原因となっています。 というのも、筋肉が増えるような負荷の運動をした場合、その後で筋肉痛(遅発性筋肉痛※2)に襲われる可能性が高いためです。痛みを抱えたままだと満足に運動できず、ケガの危険も高まります。かといって、痛みが消えるまで負荷の間隔を空けると、筋繊維が元に戻ってしまって効果を実感できないので、そのうち面倒くさくなってしまいます。 全く筋肉痛が起きないような運動だと効果は知れているので、筋肉痛そのものは許容するにしても、その痛みをできるだけ軽く済ませて速やかに回復し、次回以降も継続できるようにするのが、大事なわけです。筋量トレーニング1ABCD超回復超回復超回復トレーニング2トレーニング3時間LOHASMEDICAL


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