ロハス・メディカルvol.122(2015年11月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年11月号です。


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 糖をたくさん消費すると、その食欲は当日だけにとどまりません。「先行研究では、消費した糖が摂取した糖質を上回ると、翌日にいつもより多く食べることが観察されています」と安藤元研究員。 どんな運動でも、もっと言えば運動をしなくても生きているだけで、糖を消費しますが、単純に「糖をたくさん消費する」運動というのもあります。いわゆる「無酸素運動」です。筋トレの多くの動きや100メートルダッシュなど、息を詰めて瞬発的に力を込める強い運動は、エネルギー産生の過程で酸素が使われないのでそう呼ばれます。この際に使われるのは、主に筋肉に貯蔵されたグリコーゲンと血糖です。 他方、自転車運動やウォーキング、軽いジョギングなど、呼吸を整えながら数十分続けられる運動は、酸素を使ってエネルギーを作り出しており、「有酸素運動」と呼ばれます。掃除などの家事も有酸素運動と言えます。有酸素運動では、血中にある遊離脂肪酸も多く使います。 食べ過ぎないためにも糖をできるだけ消費しない運動を、と考えるなら、無酸素運動のやり過ぎには注意が必要かもしれません。激しい運動は食べ過ぎの元?出典:M.E.HOLMSTRUPETAL.「SATIETY,BUTNOTTOTALPYY,ISINCREASEDWITHCONTINUOUSANDINTERMITTENTEXERCISE」(OBESITY:VOL.21NO.10、2013)より編集部にて作成2時間の空腹感時間帯低高7時〜9時9時〜11時11時〜13時13時〜15時15時〜17時17時〜19時※食事は朝7時から2時間ごとに250KCALの栄養ドリンクを摂取運動なし(ほぼ座った状態)朝7時の食事後に1時間集中してウォーキング1時間おきに5分ずつ、1日合計1時間ウォーキングLOHASMEDICALVIEW高まったのに対し、こま切れに体を動かした場合は、空腹感はほとんど高まりませんでした(図)。 お腹が空いているのに食べるのを控えるのは、自然な欲求に反し、強い意志を必要とします。ついつい間食したくなるのも当然ですが、間食こそ食べ過ぎの大きな元凶、元の木阿弥です。 ですから食欲コントロールの観点からも、肥満予防には、1日のどこかで集中して運動するより、1回あたりの時間は短くして血糖値を下げ過ぎないようにし、何度も行うのがベスト、という結論になるわけです。 例えば、毎日、食後に車でジムに通って1時間筋トレなどをし、あとは一日中家でゴロゴロしている、というのは、肥満予防の観点からはかなり非効率的と言うべきです。むしろ、安藤元研究員も指摘していた通り、掃除などの家事をちょっとずつ頻繁にするのがお勧め。家の中で、1回に数分〜10分程度で構わないので、せわしなく動いていた方が、家も片づき、自然と肥満予防につながって一石二鳥を期待できそうです。[図]運動の仕方により空腹感の変化に違い


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