ロハス・メディカルvol.135(2016年12月号)

ロハス・メディカル2016年12月号です。リン酸探検隊パン花粉症の舌下免疫療法、睡眠と性差、頭を使って空腹の時はトレーニングを、有酸素運動と血管内皮の機能の関係、カルシウムサプリの心臓への悪影響、予防接種って何なの3、オプジーボの光と影7など


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が明けると、そろそろ春先の花粉症対策として抗アレルギー薬を服用し始める人もいらっしゃることでしょう。 多くの方は、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、咳、涙といったつらい症状をとるために、対症療法として薬を飲み、花粉そのものを体に接触させないような工夫をして生活しています。 最近、新しい治療法が登場しました。舌の下からスギ花粉を身体に入れ、少しずつ体を慣れさせることで、スギ花粉に過剰に反応しないようにするという「舌下免疫療法」です。2014年に保険適用となったばかりで、2015年にはダニに対する療法も保険適用されています。 この治療は高い効果を望めることから、関心を持っている人が多いようです。 ただ、一般の人たちがこれまで考えていたアレルギーの概念とは全く異なっており、ます。 花粉のようなアレルギーの元のことを、アレルゲンと呼びます。 これまで、アレルギー症状を起こさない最善の方法は、アレルゲンをできるだけ体に入れないこと、と考えられてきました。特に、乳幼児に対してお母さん方は、食物アレルギーが起こらないよう、アレルギーになりそうな食品を排除して、できるだけ与えないよう努力してこられたこと免疫の考え方も普通は学校で教わらないことから、治療そのものの原理については、なかなか理解しづらいようです。 花粉症が起きるのは、花粉に反応するIGEという抗体が肥満細胞に付き、肥満細胞からヒスタミンなどを放出させるからです。その結果、鼻水、くしゃみなどの症状が出と思います。 しかし最近の研究結果から、それはあまりお勧めできない方法であったことが分かってきました。アレルゲンを全面的に避けてしまうのではなく、アレルギーを起こさない程度に少量ずつ体に入れ、その量を徐々に増やし、時間をかけて慣らしていく方がアレルギーになりにくいことが分かってきたのです。このように慣らしていく治療法を減感作療法といいます。 もちろん、既にアレルギーを発症してしまっている場合、自分勝手に減感作療法を行ってはいけません。いったんアレルギーになってしまうと、少量のアレルゲンが入っただけでもアナフィラキシーショックを起こしてしまうことがあり、命に関わります。したがって、スギの舌下免疫療法も同じことで、こまめに受診して、医師の指導の下、その人に応じた漸増を、時間をかけてゆっくりと行う必要があLOHASMEDICALVIEW薬剤師。科学の本の読み聞かせの会「ほんとほんと」主宰吉田のりまき都道府県が設置する教科書センター一覧は、文部科学省のサイトに掲載されています。HTTP://WWW.MEXT.GO.JP/A_MENU/SHOTOU/KYOUKASHO/CENTER.HTM教科書をご覧になりたい方へ第20回免疫を慣らすと花粉症は治せる年4アレルゲンと仲良く


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