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ないと、持続不可能になります。 当科は、全国の上位20位に入る症例をこなし、安定した治療成績を上げ続けています。 これは、病院全体での工夫があって達成されていると思います。まず、役割をしっかり分担して、スタッフの負担を相対的に軽くし環器疾患の特徴は、救急搬送され一刻を争う治療となる割合が、他の領域に比べて多いことです。外科でも臨時手術や緊急手術が日常茶飯事です。スタッフが疲弊しないように常に気をつけていることが挙げられます。 例えば、午前3時に手術の必要な患者さんが搬送されてきたとします。珍しいことではありません。その度に執刀する外科医が、自宅で叩き起こされ呼び出されるようなら、疲れ果ててしまいます。当院の場合、内科医3人と外科医1人の当直チームが患者さんの状態を安定させた上で、朝になってから執刀チームに連絡が行きます。 これまた全国屈指の実績を誇る循環器内科との連携が極めて良く、私たちは外科処置に集中できるというのも、ありがたい特徴です。 例えば、外来受診から手術のための入院まで、内科がサポートしてくれます。手術後長期間の専門的なフォローが必要な場合なども、内科が引き受けてくれます。 連携が良いのは偶然ではなく、診療領域の選択と集中を進めた結果です。病院もコンパクトで効率良く出来ており、循環器の内科と外科の医局が隣、内科外来の隣が手術室というように日常的に顔を合わせるようになっており、必要があればすぐ相談できます。選択と集中の強みムダなく成績安定仙台厚生病院物語循 診療科の少なさが強みになっていると言えば、紹介でいらっしゃる患者さんの手術を2週間ほどしかお待たせしていないのもあります。自由に使える心臓外科専属の手術室が2室あって融通が利くためです。手術後に退院までの時間を短くすることばかり着目されがちですが、患者さんは手術を待っている間も仕事を休まざるを得ませんから、極めて重要なことです。 看護師などのスタッフが勉強会やマニュアル作りなどに積極的で、研修医を本業に集中させてくれるのも特徴と言えるでしょう。忙しくないと言えばウソになりますが、意味もなく病院に残っている者はいません。私は大学病院にも勤務していましたが、大動脈、冠動脈、弁膜症の各領域にも偏りがなく、腕を磨くのに良い病院であることは間違いないと思います。【広告】提供:仙台厚生病院はた・まさき●1986年東北大学医学部卒業、同心臓血管外科、青森中央病院を経て2011年から現職。心臓血管外科主任部長畑正樹2第12回