ロハス・メディカルvol.141(2017年6月号)

ロハス・メディカル2017年6月号です。「口から人生を豊かに」3回目は、歯痛の原因です。武井典子氏voice。新連載「健康情報しらべ隊」スタート。分煙では受動喫煙を防げない。梅村聡氏と井上清成氏の対談。記者が当事者になって気づいたことほか。


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厚労省は、公共の場の多くを屋内禁煙にしようとめざしています。しかし、一部に認められる喫煙室や喫煙所は、その構造や場所、使い方をよほど気をつけないと、受動喫煙を避けられません、時間帯禁煙など論外、という話です。第24回LOHASMEDICALVIEW完全に仕切られた喫煙室があったとしても、周囲でタバコ臭さを感じるとしたら、受動喫煙してしまっています。専任編集委員(米ミシガン大学大学院環境学修士)堀米香奈子公共の場の分煙健康を守れないあります。 厚生労働省は今回の法改正で、飲食店について、原則屋内禁煙にして喫煙室を認める方針でしたが、厳し過ぎるという異論が自民党内に多く、動きが止まってしまいました。 ただ、受動喫煙による健康被害を本当に防ごうとするなら、厚労省案でもまだ甘く、喫煙室を認めること自体がナンセンスです。実は、厚労省推奨の「一定の要件を満たす」喫煙室でも、煙の漏れを防止できないことが、産業医科大学の大和浩教授の研究で明らかになっているのです。京五輪・パラリンピックを見据えて、受動喫煙防止策を強化しようという健康増進法改正の作業が難航しています。 日本呼吸器学会は、受動喫煙は空気清浄機などでは防げず、非喫煙者の肺がんリスクを20∼30%増加させ、虚血性心疾患をひき起こすとしています。子どもでは、気管支喘息など呼吸器の病気や乳幼児突然死症候群などのリスクが高まります。また、日常的に受動喫煙している成人は、受動喫煙のない人より約15%死亡率が高くなるとした研究も 国立保健医療科学院・生活環境研究部の欅田尚樹部長は「煙の広がりを考えれば敷地内禁煙が理想」と指摘しますが、厚労省案で敷地内禁煙となるのは、小中高校と医療機関などに限られます。 タバコの煙に光を当てると4千種類以上の化学物質を含む無数の微粒子(タール)が浮遊していてることが分かります。さらに、目に見えないガス成分にも、人体に有害な一酸化炭素やアンモニア、発がん性物質などが含まれます。 分煙していてもタバコの臭いを感じるということは、漏れた煙を吸ったということ。 喫煙室から煙が漏れるのは、まず、ドアを開閉する度に喫煙室の内と外で圧力差が生じてしまうため。喫煙室内の煙が、ドアや給気口、蛍光灯・火災報知器と天井の隙間などから押し出されます。 厚労省は給気口の内側に紙の弁を取り付けることを推奨していますが、研究では弁を取り付けても煙の漏れは防げませんでした。 スライド式のドアならば圧力差は発生しないものの、通東ダダ漏れ喫煙室今回のお話は…18


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