ロハス・メディカルvol.135(2016年12月号)

ロハス・メディカル2016年12月号です。リン酸探検隊パン花粉症の舌下免疫療法、睡眠と性差、頭を使って空腹の時はトレーニングを、有酸素運動と血管内皮の機能の関係、カルシウムサプリの心臓への悪影響、予防接種って何なの3、オプジーボの光と影7など


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 病気でやりたいことができなくなると、誰しもショックを受けます。しかし、問題を解決し、できることを増やしていけたら、病気があっても充実した人生を送ることができます。ここで、問題を解決する手順を考えていきましょう。 まず一つめの段階は「①できないと思っていることの本当の原因を考える」ということです。病気になると、無意識に自分に制限をかけてしまうことがあります。工夫すればできるかもしれないのに、考える前にできないと決めつけてはいないでしょうか。できないと思うのであれば、その原因を考え、一番問題になっていることが何なのかを考えてみましょう。 そして、二つめの段階としては「②解決する方法を考え、紙に書き出してみる」ということです。ここでのポイントは、どんな案でも構わないので、とにかく数を書き出していくということです。その中から、使ってみたい案を選び、一つずつ試してみましょう。もし自分の出した案では解決できない時は、家族や友人、医療関係者に相談したり、本やインターネットで調べたりして、案を増やしていきましょう。 ただ、それでも解決できない時は「③やり方や取り組む時を変える」必要があります。山本さんが言うように「80%くらい満足できるやり方があれば、やってみる」ということもよいでしょう。また、体調は変化し、医療も日々、進化していますから、今はできなくても時間をおくとできるようになることがあります。今できないことは、先の楽しみにしておくという考え方もあります。もっと詳しいことや他の方法を知りたい方は、日本慢性疾患セルフマネジメント協会のWEBサイト(HTTP://WWW.J-CDSM.ORG/)をご覧いただき、同会のワークショップに参加してみてください。どんなことでも構いません、病気で悩んでいることをお寄せください。毎月一つの質問に、病気を持つ人が答えます。ご相談は、メールでINFO@LOHASMEDIA.CO.JP、もしくは郵便で〒107-0062 港区南青山2-2-15-616 『ロハス・メディカル』編集部までお送りください。匿名で結構ですが、年齢・性別・職業をお書きいただくと、より適したアドバイスをしやすくなります。LOHASMEDICALVIEWだろうかと、自分で対策も考えました。そして2013年、まずは国内の旅行に挑戦しました。旅行では1時間に1本しかない電車に、1時間乗り続けなければいけない場面もありました。しかし、電車も特に問題なく乗れ、体調の良い時は旅行が難しいわけではないと分かりました。 国内旅行ができたことが自信になり、2015年には念願だった海外旅行に出掛けました。スペインの聖地巡礼の旅で、体調が悪い時も自分で対処しながら歩き通せたことで、自分の人生が広がった気がしています。 ただ、中にはどう工夫してもできないことがあるでしょう。それが物理的にできないことです。その時は、やり方を変える必要があります。例えば、脚が動かないけど登山をしたいと思ったとします。自分の脚で登ることは難しいです。それならば、車で行けば、山を目で見て、空気を味わい、手で葉っぱを触ってと、自分の足で歩けなくても山を楽しむことができるかもしれません。すべて満足できなくても、80%くらい満足できるやり方があれば、やってみるとよいと思います。 発病から2年ほどかかりましたが、様々な人の経験を聞きながら、やりたいことをできるようになりました。今度は逆に、私も自分の経験で誰かを後押しできたら良いなと思っています。今では、これが私のやりたいことです。 病気になってもやりたいことが増えて、しかも、発病前よりも自分や人に優しくなれたとも感じているので、病気になって良かったこともあるなと思っています。あなたの悩みをお寄せください。


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