ロハス・メディカルvol.136(2017年1月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2017年1月号です。


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たりするのは、細胞内液に普段ほとんど含まれないカルシウムが、細胞内へ入り込むことによって起きます。難しい理屈は省略しますが、細胞が刺激を受けると、最初にナトリウムが、次にカルシウムが内部に入り込みます。このカルシウムが入り込んでいる間、神経細胞であれば興奮、筋肉細胞であれば収縮という現象が起きるのです。 つまり神経や筋肉が働くのにナトリウムとカルシウムは必須です。ただし、いつまでも興奮したり収縮したりが続いては困るので、用が済んだら、入り込んだナトリウムとて、私たちの神経が興奮したり筋肉が収縮し細胞の働きを協調して制御さカルシウムを、細胞外に排出してあげる必要もあります。 まずナトリウムは、ナトリウム-カリウムポンプというもので細胞外のカリウムと交換されます。このポンプのスイッチを入れるのがマグネシウムです。ナトリウムが多過ぎるかカリウムが足りないかすると、この交換がスムーズにいかず、浸透圧で水分が細胞内に入り込むため、細胞が膨れます。血管の細胞でこのようなことが起きると、血圧が高くなります。 ナトリウムの面白いところは、ある程度まで細胞内の濃度が低くなると、カルシウムを外に出す代わりに細胞外からナトリウムを引き込む「ナ 人体を構成する約60種類の元素のうち、有機物の元になる酸素、炭素、水素、窒素を除いた残りの元素の総称で、無機質とも呼ばれます。体に占める割合は重さにして4∼6%です。 ヒトの生命活動に欠かせない必須ミネラルが16種類あり、1日100㎎以上摂取が必要とされる主要ミネラル7種類(カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、リン、硫黄、塩素)と、鉄や亜鉛などごく少量で足りる微量ミネラル9種類に分けられます。ミネラルとは


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