ロハス・メディカルvol.137(2017年2月号)

ロハス・メディカル2017年2月号です。睡眠と免疫の関係、水晶体とオートファジー、体幹トレーニング、血管の傷みが分かる検査、亀田総合病院事件、小松秀樹、がん対策基本法の狙い、オプジーボの光と影9など


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 薬が余るという悩み、よく聞きます。つい飲み忘れてしまったり、効果が感じられなくて自己判断で止めてしまったり、理由は様々ですが、必要な薬はきちんと使っていくことが重要です。 皆さんは、薬の疑問や服薬状況について、医師や薬剤師に相談したことはありますか? 薬を処方通りに使っていないと、後ろめたい気持ちがして正直に言えない人もいるでしょう。しかし、必要な薬を飲まないでいると、体調を崩したり、予防できた合併症をひき起こしたりして、結局は自分が損をすることになります。薬は医師や薬剤師のために飲むのではなく、自分がより良く生きていくために必要なものです。医師や薬剤師をパートナーと考え、どんどん活用していきましょう。そのためにも、かかりつけの病院だけでなく、かかりつけの薬局を持ち、信頼できる関係を築いていけると良いでしょう。 例えば薬の種類が多くて飲み間違えてしまう場合、そのことを医師や薬剤師に相談すれば、薬を「一包化」といって、一度に飲む複数の薬を一つの袋に入れて処方してもらえることがあります。また、生活のリズムと服薬のリズムが合わない場合は、他の薬でうまく使えるものがないか、検討してくれる場合もあります。 効果がないように感じている場合は、そのこともぜひ伝えてみてください。治療を継続していくためには、薬の重要性を理解して、自分にとって必要なものだと納得することが大切です。もっと詳しいことや他の方法を知りたい方は、日本慢性疾患セルフマネジメント協会のWEBサイト(HTTP://WWW.J-CDSM.ORG/)をご覧いただき、同会のワークショップに参加してみてください。どんなことでも構いません、病気で悩んでいることをお寄せください。毎月一つの質問に、病気を持つ人が答えます。ご相談は、メールでINFO@LOHASMEDIA.CO.JP、もしくは郵便で〒107-0062 港区南青山2-2-15-616 『ロハス・メディカル』編集部までお送りください。匿名で結構ですが、年齢・性別・職業をお書きいただくと、より適したアドバイスをしやすくなります。LOHASMEDICALVIEW そんな中、ある入院で同部屋になった女性が、同じ病気で同い年でした。色々話すと趣味が同じ演劇鑑賞で、気も合って、退院してからも外で会うようになりました。 彼女はきちんと薬を飲んでいて、分からないことは主治医に質問し、前向きに病気と付き合っていました。私は、その姿を見て、病気と向き合うのは格好いいなあと思いました。それまで私は病気をマイナスと捉え、見ないようにしていたのですが、病気があってもこんな風にイケてる人になれるんだと思って、病気のイメージが変わりました。今まで、怒られると思って、主治医に薬を飲んでいないことも言わなかった自分を反省しました。まずはもう一度、薬と成分栄養剤をきちんと飲むところから始めようと思いました。 その後、患者会や日本慢性疾患セルフマネジメント協会のワークショップにも参加するようになり、多くの人が病気と付き合いながらやりたいことをやっている姿を見ました。歩くのが大変な病気でも歌を楽しんでいる人や、パンを焼くのが趣味だという人もいました。そして私は、この先どんな風に生きていきたいのか、そのためにどんな治療が必要かと考え、主治医と話すようになりました。 今でも入院することはありますし、体調は一進一退です。でも、入院しても昔ほどは落ち込みません。入院は負けではなく、自分に必要なオプションの一つと思えるからです。薬についても、主治医に言われたから飲むのではなく、自分がやりたいことをするために必要なんだと思えるようになり、きちんと服薬できるようになりました。あなたの悩みをお寄せください。


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