ロハス・メディカルvol.138(2017年3月号)

ロハス・メディカル2017年3月号です。リン酸探検隊は本丸の練り物に、体幹トレーニング、長生きを喜ぶ日本へ戻ろう、女性に増える糖尿病、摂るべし新鮮な魚油、主治医との話し方、抗生物質って何?、梅村聡と小松秀樹、都会の公園にも森林浴効果、点眼は間隔と順番が大事など。


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森林浴は、ストレス低下や免疫力向上などの効果が証明されています。さらに芝生など身近な植物に接するだけでも、健康効果が期待できます。人類が、植物に囲まれて誕生し、自然治癒力を培ってきたためだろう、という話です。第21回LOHASMEDICALVIEW「森林浴」が体に良いことはご存じの通りですが、森まで出掛けなくても体調維持効果が得られるそうです。専任編集委員(米ミシガン大学大学院環境学修士)堀米香奈子都会の公園でも森林浴効果ず、NK細胞の数や活性が上昇していました。この効果は1カ月程度持続し、他方、都市部での一般旅行では同効果は得られませんでした。 緑豊かな環境に暮らす女性は、そうでない地域に住む女性に比べて12%死亡率が低いことも、ハーバード大学による8年間の追跡研究の結果、昨年報告されています。 こうした森林浴効果は、樹木から空気中に放出される物質「フィトンチッド」によるものとされてきました(コラム)。ただし、「その実体と効林の中を散策していると、心も体も洗われたようにスッキリしますよね。森林浴(コラム)には、ストレスホルモンの分泌を低下させ、リラックス効果があることが、多くの研究で実証されてきています。 さらに、森林浴によって免疫力がアップすることも明らかになっています。日本医科大学の研究では、東京在勤の男女を3カ所の森林環境中に2泊3日間滞在させ、森林遊歩道を散策させて免疫の変化を調べたところ、男女を問わ果が確認できたのは、ようやくこの15年くらいのこと」と話すのは、千葉大学園芸学部緑地環境学科環境健康学領域の岩崎寛准教授です。 「技術の進歩で空気中の微量の物質の計測が可能になり、また、唾液に含まれるストレスホルモンの測定法が開発されたことで、採血など余分な測定時ストレスがなくなり、正確なデータを得られるようになりました」 森林浴は確かに気分爽快ですし、日常を離れることで、気分転換の効果も得られます。ただ、都市部の人々が気軽にできるものではありません。森林は、車や電車でわざわざ遠出して行く場所だからです。 そんな人に朗報があります。2007年、岩崎准教授たちの研究で、都市公園内の芝生やラベンダ︱畑で5分間座って休憩するだけで、ストレスが軽減し、血圧を正常値に近づける効果が観察されました。高血圧の人は血圧が下がり、低血圧の人には上がる傾向が見られたのです。森芝生で血圧低下今回のお話は…28


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