ロハス・メディカルvol.141(2017年6月号)

ロハス・メディカル2017年6月号です。「口から人生を豊かに」3回目は、歯痛の原因です。武井典子氏voice。新連載「健康情報しらべ隊」スタート。分煙では受動喫煙を防げない。梅村聡氏と井上清成氏の対談。記者が当事者になって気づいたことほか。


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LOHASMEDICALVIEWしれません。しかし私の場合、千葉県鴨川市に出向していたという関係もあり、夫が単身で暮らしていた大阪府吹田市での同居を始めたのが出産間際になってからで、そういう人間関係がありませんでした。 昔は多くなかったケースと思いますが、女性の社会進出が進んで、核家族化も進んだ時代ですから、同様に誰からも何も教えてもらえないという妊産婦も珍しくはないのでないかと思います。 結局のところ、そういう孤立した妊産婦が最後に頼りにできるのは行政機関か、トラブルの解決策をビジネスとして提供している事業者か、になると思います。 トラブル解決策をビジネスとして提供している所の代表が、医療機関です。中でも「かかりつけ医」は、イザという時の駆け込み先であり、トラブルが起きる前に情報を教えてもらう相手になります。国が推進する「地域包括ケア」でも、サービスを受ける側にとっての扇の要として「かかりつけ医」が位置づけられており、自分や家族にとって、相性の良い「かかりつけ医」と出会えるかどうかは死活的に重要と言えるでしょう。 しかしでは、記者としての経験を踏まえて、かかりつけ医をスンナリ探せたのかと問われると、大苦戦したことを告白しなければなりません。 何しろ、情報を調べようという気持ちがあり、ある程度の調べ方が分かっていたとしても、肝心の情報がほとんど出ておらず、結局は実際に足ぐのに役立つ情報は、トラブルが起きてから初めて価値に気づくのではないでしょうか。 そもそも自分にどんなトラブルが起きるかなんて分かりようがありません。医療に限らず、日常生活にはありとあらゆるトラブルのタネが潜んでおり、いちいち気にしていたら生活そのものが成り立たなくなります。 ということで、トラブルを防ぐ情報があったとしても、信頼できる誰かがそれを教えてくれなければ、その情報は存在しないのと一緒になってしまいます。 そして、トラブルが発生してから慌てて調べたりすることになり、「誰か早く教えてよ」と憤ることになるのだと思います。 通常は、経験のある家族や親戚、ご近所付き合いの中から、そういう情報を教えてくれる人が現れるものなのかもかかりつけ医を探せを運んでみないとことには判断がつかないのです。 虚偽・誇大広告による誘導による患者の被害を防ぐためとか何とかの理由で、医療機関の広告はかなり厳しく制限されているからです。これでは、患者は一体どうやって「かかりつけ医」を探せばよいのでしょうか。当事者になってみると、何とも釈然としません。 これからしばらく、私が記者でありながら、その経験が役に立たずに悪戦苦闘した経緯を書いていきます。お付き合いいただけたら幸いです。22


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