ロハス・メディカルvol.110(2014年11月号)

『ロハス・メディカル』2014年11月号。寝たきり予防にフレイル予防、呼吸同期照射、交代勤務と睡眠、脂質を摂り過ぎると酸化、がんと慢性炎症の関係、即席ラーメンで女性はメタボ危機、アドバンス・ケア・プランニングほか


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ん対策推進基本計画に、第2期から「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」が目標として加わり、「子どもに対するがん教育のあり方を検討し、健康教育の中でがん教育を推進する」となりました。次の学習指導要領の改訂時に、がん教育を取り入れようとする動きもあります。 これまでも一部の学校現場では、がんの教育が行われてきました。かつて私が見学させていただいた時は、小学高学年や中学生を対象に、土曜日の特別授業として、医師がパワーポイントを使って体育館で説明をし、子どもたちからの質問に答えるという形式でした。 こういった活動は、一見、がんの知識を専門家が子どもたちに解説するためのものとして捉えられがちですが、本質はそこにはありません。あります。がんと共に生きるという視座を得にくいのです。 一方、医師をはじめとする医療関係者は現在、がん=死とは考えていません。がんと共にどうこれからどう生きるか、その人らしい生き方とは何か考えて治療に取り組んでいます。 だからこそ、子どもたちが現役の専門家から話を聴くということは、がんに対して広い視野を持ち、バランスの良い考え方をできるきっかけと 今の多くの子どもたちは、ネットで検索すればいくらでもがんの情報を得ることができます。しかし情報量が多過ぎ、読解力や洞察力が未熟なうちに情報に触れることで、時に断片的な知識だけ印象に残ってしまいがちです。また、テレビなどで取り上げられる際は、がん=死という設定になっていることが多くなります。これからがんに向き合っていく世代にとって、とても重要なスタートになることでしょう。 最近では、がん患者さんも参加して行われる授業が増えているようです。 告知すらためらわれていた時代からは到底考えられないことですが、今は、自らがんであることを話される患者さんも増え、がんに対する考え方が変わってきました。がん患者さんこそ、がんと向き合う専門家といえるでしょう。しかし、そうした変化を知らない大人も多くいます。そのため、本当の意味で患者さんの気持ちを汲み取ることができません。また、どう接したらよいのか分からないため、気持ちだけが空回りをしてしまうことがあります。 ですから、がん教育は子どもだけでなく、大人も一緒に受けるのがよいのではないかがLOHASMEDICALVIEWがん=死は古い患者さんの参加も薬剤師。科学の本の読み聞かせの会「ほんとほんと」主宰吉田のりまき都道府県が設置する教科書センター一覧は、文部科学省のサイトに掲載されています。HTTP://WWW.MEXT.GO.JP/A_MENU/SHOTOU/KYOUKASHO/CENTER.HTM教科書をご覧になりたい方へ第23回がんと共に生きるそんな時代の教育2ROBUSTHEALTH


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