ロハス・メディカルvol.111(2014年12月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2014年12月号です。


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LOHASMEDICALVIEW者で、しかも予防給付対象者(注・現在は制度が変わっている)になる割合が非常に多いです。その大きな原因となっているのが、筋骨格系の虚弱です。 この結果、女性の方が平均寿命は長いのですけれども、不健康寿命も長いということは、よく知られている事実だろうと思います。 今後、後期高齢者に対する健康の施策や、生活機能を失ってしまうことをいかに予防し、いかにそのリスクを見つけるかということが、ものすごく重要な時代に入ってくるということになります。 最近フレイルが非常に重要視されてきています。フレイルは非常に多くの領域にわたる概念で、身体的な表現型として最も出てくるのがサルコペニア、心身的な表現型は認知症、社会的な問題としては閉じこもりや孤独になると思います。 このフレイルの大事なところは、予防によって回復可能ということです。 後期高齢者で機能が減衰し、やがて障害を持っていくという時に、減衰した状態がフレイルであり、それを早く見つけることが重要で、少しでもリスクを改善できるものは改善の介入が必要になってきます。 そのリスクを改善する様々な介入は、当然、科学的な根拠に基づかなければなりませんので、いかに早く効率的にスクリーニングして、そしていかに介入を行うのかということが、恐らく当研究会の一番の議論の対象になるのだろうと思います。 フレイルの判定方法ですが、最初は1999年にロックウッドが提唱したものがあります。これは非常に多くの実測変数で判断するもので、使いにくいです。その後、2001年にフリードがフェノタイプ(表現型)モデルを発表します。5要素で判定するこれが一番有名で、一番使われています。エンスラドは2009年に、さらに簡単に3要素で判定するモデルを発表しています。 最も使われているフリードの指標ですが、場合分けが若干細かくてまだ使いづらいのと、基準値が日本人に合わないというところがあります。このため、日本ではフリードの評価方法を元にしながら、日本人に合う基準値を使っていることが多いです。 日本ではどういうものが推奨されるかと言うと、基本チェックリストが、ある意味、一番優れているだろうと考えられます。 国立長寿医療研究センターの佐竹(昭介)先生が、チェックリストとフリードの基準の関係を見ていまして、非常にキレイな関連性を見出しています(今月号の特集参照)。 最近では、当研究会代表世話人の荒井(秀典・京都大学大学院教授)先生が中心になって、基本チェックリストを英訳し、フレイルの一つのスクリーニングツールとしてあるのだということを欧米に向けて発信しようとしている状態だと思います。(基調講演から編集部が抜粋)予防で回復可能世界に逆発信©PLAYMOBIL/GEOBRABRANDSTÄTTERGMBH&CO.KG.LOHASMEDICAL


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