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国際長寿医療研究センター研究所長LOHASMEDICALVIEW本の超高齢社会の際立った特徴は、前期高齢者がほとんど増えないのに対して、後期高齢者の割合だけが増えることです。現在、国民の25%、実数にして3千万人強が65歳以上で、前期と後期の割合が1対1です。ところが2030年には、これが1対2近くになります。その後もずっと1対2以上の状態が続きます。 私は、前期高齢者と後期高齢者を同じ高齢者として扱うべきでないと思っています。もちろん連続性のあるものなので75歳になる前の日と75歳になった日で状態が違うということではありませんけれど、大まかに分けますと、前期高齢者は非常に健康度が高く活動的で、社会的貢献度も高いです。ところが後期高齢者になりますと、心身機能の減衰が不可逆的に発生してきて、老年症候群やフレイル、認知症が増えてきます。要介護認定を受けている高齢者のうち86%が後期高齢者なのです。 性による違いも、もちろんあります。要介護認定を受ける男性は比較的若いのですが、その最大の理由は脳卒中です。女性の場合、要介護認定でサービスを受けるのは後期高齢日フレイルの早期発見とても重要な時代に鈴木隆雄・国際長寿医療研究センター研究所長フレイルやサルコペニア※に関わる多領域の医療・介護専門職、研究者の情報交流を目的とする『日本サルコペニア・フレイル研究会』というものが今年2月に発足しました。10月19日には東京で第1回の研究発表会が開かれ、基調講演の中で鈴木隆雄・国際長寿医療研究センター研究所長が「基本チェックリスト」に触れたので、ご紹介します。※サルコペニア:筋肉量が減り、筋力か身体機能が落ちる状態。フレイルの中核をしめる状態鈴木隆雄LOHASMEDICAL