ロハス・メディカルvol.111(2014年12月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2014年12月号です。


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第40回どい・ゆうこ●1978年東日本学園大学(現・北海道医療大学)薬学部卒。病院勤務後、93年に(株)第一臨床検査センター(現アインファーマシーズ)入社、薬剤師研修を担当、2009年より現職。神戸薬科大学非常勤講師、北海道大学大学院非常勤講師、帝京大学非常勤講師として、「薬剤師教育指導論」や「リスクマネージメント」を教えている。の報告があります。このため、ビタミンD不足は、骨折や転倒の危険因子の一つとして捉えられています。 ビタミンDを食物から摂取する場合は、鮭、ウナギ、サンマなどの魚類やキクラゲ、干しシイタケなどのキノコ類を献立に加えると、1日の目標量は簡単にクリアできます。 また、ビタミンDは、日光に当たることにより皮膚でも作られます。冬に日照時間が短くなってくると、この経路に影響があります。 国立環境研究所と東京家政大学の研究チームによると、晴天の冬の正午に、両手と顔月は、日照時間が短くなると、何となく元気がなくなるという話をご紹介しました。 今月は、骨や筋肉との関係です。 骨の代表的な材料は、ご存じの通りカルシウムで、このカルシウムの小腸からの吸収を助けるのが、ビタミンDです。つまり、ビタミンDが足りないと、きちんと骨が作られません。それだけではなく、最近の研究では、血中にビタミンDが十分な量あるだけで、たとえ骨のカルシウム量は増えなくても骨粗しょう症患者の骨折を防ぐことができると(株)アインファーマシーズ上席執行役員土居由有子を太陽に当てた場合、那覇で8分、つくばで22分、札幌では76分で、成人のビタミンD量の必要量1日分が作られるそうです。 ビタミンDの生成に必要なのは日光の中でも紫外線ですが、散乱したり反射したりする紫外線の性質上、直射日光に皮膚をさらす必要はありません。天気の良い日に木陰にいるだけでも直射日光の半分の量は浴びることができます。日傘を差したり帽子をかぶったりしての散歩でも大丈夫ということです。浴び過ぎるとシミやほくろの原因になります。健やかな骨や筋肉日照時間が影響先 生成されたり摂取されたりしたビタミンDは、そのままでは効果を発揮できず、腎臓や肝臓の酵素の働きにより「活性型ビタミンD」になる必要があります。加齢と共に、腎臓の働きが低下してビタミンDを活性型に変える機能は低下することが知られています。 この活性型ビタミンDは、骨だけでなく筋肉増強にも関与しています。ですから、外出が減り、偏食がちなお年寄りは、筋肉の量や筋力も落ちている可能性が高いです。 そのような状態では転倒や骨折のリスクが高くなっており、もし転んでしまったら、QOLが大きく下がることは間違いありませんし、寝たきりや認知症の引き金ともなりかねません。 十分に日に当たることができなかったり、バランス良い食事からビタミンDを摂ることが難しい場合はサプリメントで補う方法もあるので、薬剤師に相談してください。LOHASMEDICALVOICELOHASMEDICAL


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