ロハス・メディカルvol.111(2014年12月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2014年12月号です。


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息子41.6%息子11.4%妻38.2%夫18.3%夫16.1%娘16.1%娘19.3%嫁5.9%嫁9.6%妻5.0%孫4.8%兄弟姉妹2.1%婿1.9%婿0.2%その他4.1%その他5.0%不明0.1%LOHASMEDICALVIEW超えます。つまり、それ以後の年齢の方たちは少なくとも10人に1人は1年間のうちに亡くなることになるのです。死の近くにいる人たちの健康を、身体的健康のみを指すとすれば、それを守ることはほぼ不可能だということが、死亡率だけを見ても明らかなのです。  そういった中で私の頭をよぎるのは、身体機能の維持だけにしゃかりにきなっている現在の医療や介護、特に「予防」の取り組みが虚しい努力ではないのかという疑問です。私の経験で言わせていただければ、高齢者は、自発的努力があれば体の機能の維持や改善がなされることがありますが、外部からの指導にはほとんど効果がありません。そして、恐らく彼らの健康を私たちが守れるとすれば、それは身体的健康よりも精神的健康や社会的健康のほうが遥かにその可能性が大きいであろうという予測です。  例えば、虐待を予防するための検診があったらどうでしょう。高齢者虐待は、される方もする方も明らかに「健康」を著しく損ねる出来事です。 2012年度高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査(以下高齢者虐待防止調査)によれば、養護者による虐待の通報件数は、養護者により相談・通報のあった24725件中事実確認調査を行ったのが24069件(平成23年度中に相談・通報があったもののうち平成24年度に入ってから事実確認を行ったものも含む)、虐待と認定された件数は15202件。うち息子による虐待が7071人、41・6%、以下夫18・3%、娘16・1%、息子の配偶者5・9%、妻5・0%と続きます[図1]。 2013年の国民生活基礎調査によると、同居介護者の69・4%が悩みやストレスを自覚しています。ほとんど終日介護に携わっている同居の主な介護者は、妻38・2%、娘19・3%、夫16・1%、息子11・4%、嫁9・6%、婿0・2%でした[図2]。この数字と高齢者虐待防止調査の数字を組み合わせ、ストレスフルな終日介護から虐待が発生すると仮定すれば、おおよその虐待発生相対危険度を計算できます。最も頻度の低い妻による虐待を1とすると、今ある虐待を前提に27LOHASMEDICAL[図2]終日介護者の続柄


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