ロハス・メディカルvol.111(2014年12月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2014年12月号です。


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の代替などをしています。 私は、このアイデアを国会議員になった当初(2007年頃)から考えていたのですが、当時の先輩議員からこう言われました。 「その問題はもう結論が出ている。現金給付サービスを作ると『いい嫁』が必要となって、女性を家庭に縛り付けることになり、女性の社会進出を阻む、と、制度創設前に一部の女性議員から強硬に反対された経緯がある」、と。 「介護の社会化」を旗印に介護保険制度が創設された2000年当時を考えると、分からないではありません。しかし当時、こんなに家族による在宅介護が急激に必要になるとは思わなかったことでしょう。冷静に現状を見れば、家族介護に頼らざるを得ないのです。建前から本音に変えていく時期です。制度発足後15年ですから、改善や路線変んでいるのです。 こうした問題を解決するため、介護保険で家族に対する現金給付も行うべきと考えています。保険とは、皆でリスクを分散して支え合うものです。その精神に則って、サービス提供の範囲を、本人から家族に広げて考えればよいと思うのです。 現状、本人が40歳から同じ介護保険料を払っていても、施設に入れた場合と在宅介護になった場合で、家族の負担が大きく異なります。介護サービスが手薄な地域では、在宅サービスを受けられないこともあるでしょう。この不公平を緩和するためにも、家族介護を行う人の経済的、精神的、肉体的負担への対価としての現金給付は必要だと思います。 海外を見ても、オランダでは家族への現金給付をしています。ドイツでも、在宅で介護する家族に労災保険の適用や介護金庫による年金保険料更などを考えていかなければならないと思います。 なお、現金給付に含まれるのは、直接的な手当だけとは考えていません。愛知県で2007年に認知症の男性が電車にはねられ死亡した事故で、名古屋高裁が妻に対して約360万円の支払いを命じ、関係者などから「家族だけに責任を負わせるのか、地域で見守るべきだ」と反発する意見が出ていました。とはいうものの、今の日本は地域で高齢者を支え切れていませんし、そうできるだけの医療・介護資源もありません。結局誰も責任を負わないことと同じで、問題が先送りされるだけです。家族が賠償して、その費用は介護保険から補償を受けられるようにすればよいと思います。 「保険でそこまでカバーすべきなのか」という反論もあり、また財務省は「財源がない」と言うでしょう。しかし、今後要介護者が増えるのは自明で、放っておけば道連れになって生活保護受給者も間違いなく増えます。 生活保護制度は戦後の生活困窮者を支えるためにできたものです。本来であればそのような「扶助」から、年金保険、医療保険、介護保険など「保険制度」へ移行していくというのが戦後の日本の大きな流れのはずです。介護保険をケチって生活保護受給者が増えるというのは本末転倒です。 しかも、現在の生活保護は、いったん受給し始めると、なかなか抜け出せなくなるという問題もあります。 介護保険から現金給付が行われれば、そのほとんどは貯蓄ではなく消費に回るはずで景気の下支え効果も見込まれます。また、介護者を経済的にしっかり支えることができれば、介護が終わってから納税者に戻れる人もいると思います。トータルの収支を冷静に検討すべきです。現実を認める必要LOHASMEDICALVIEW31LOHASMEDICAL


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