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第41回どい・ゆうこ●1978年東日本学園大学(現・北海道医療大学)薬学部卒。病院勤務後、93年に(株)第一臨床検査センター(現アインファーマシーズ)入社、薬剤師研修を担当、2009年より現職。神戸薬科大学非常勤講師、北海道大学大学院非常勤講師、帝京大学非常勤講師として、「薬剤師教育指導論」や「リスクマネージメント」を教えている。われたかもしれません。それが、そうでもないのです。アメリカ食品医薬品局(FDA)に2007年に食用の新規成分として登録を許可された「オリゴノール」という物質をご存じでしょうか? オリゴマー・ポリフェノールを略した言葉で、ライチ果実に含まれるポリフェノールポリマー(ポリフェノールが鎖のように連なったもの)を細かく切って小さくした低分子ポリフェノールを指します。 ポリフェノールはご存じですね? 主に野菜や果物に含まれる苦みや色素の成分で、紫外線やウイルス、害虫、鳥貴妃が愛したことで有名な「ライチ」は、中国南部を原産地とするムクロジ科レイシ属の果物です。 可食部100Gの中に、葉酸、ビタミンC、カリウムが多く含まれて、風邪予防や、美肌効果、貧血予防、便秘改善など多くの効果があると言われています。特に葉酸は、妊娠初期に不足すると「神経管閉鎖障害」のリスクが高くなるなど、胎児の成長に欠かせない栄養ですから、妊婦さんは積極的に食べるとよいでしょう。 といっても夏の果物ですから、季節外れの話題だなと思(株)アインファーマシーズ上席執行役員土居由有子などから果実を守っているのですが、残念ながら大抵は分子が大きいため、食べてもなかなか吸収されません。この分子を小さくしてやると、消化吸収しやすくなり、強力な「抗酸化作用」など生活習慣病や老化の予防に働く作用の恩恵を受けやすくなります。 こうして産み出されたオリゴノールには、血流改善、美容美肌、スポーツパフォーマンスの向上、内臓脂肪を抑えるの4つの代表的効果があると言われています。 寒くなるこの時期に血流改善は重要です。手足の冷え、肩こり、むくみは、末梢の血ライチ由来の新成分オリゴノールに注目楊液の流れが悪くなることにより起こります。そして、この滞りには、ストレスや紫外線、食品添加物、喫煙、動脈硬化によって発生する活性酸素が影響していると言われています。ここにオリゴノールの抗酸化作用が対抗すると期待されます。 なお、古来から食用とされているライチ由来なので安心感はあるのですが、それでも安全性は確認する必要があります。既に様々な機関によって検討されていて、今のところ特段の毒性は見つかっていません。 オリゴノールの使い道は食用に留まりません。水によく溶けるという特徴もあるため、その抗酸化作用を皮膚で発揮する化粧品の成分としても有望視されています。 冬本番に備え、色々な効果を期待できるオリゴノール製品。興味をお持ちになった方は、ぜひお近くの薬局でご相談ください。LOHASMEDICALVOICELOHASMEDICAL