ロハス・メディカルvol.113(2015年2月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年2月号です。


>> P.19

※心に受けたダメージから繰り返し不安や悲しみに襲われ、緊張、頭痛や腹痛、食欲不振、不眠などに陥るもの。プツリーの大沢かおり代表。「子どもも気になることをすぐ訊けて不安を早く解消できますし、親も、子どもが何を気にしているか分かって対処できるので、安心できます」 子どもの気持ちを受け止めて理解し、病気の話をタブーとしないことで、その孤独感や疎外感は軽減できる、という米国の研究報告もあります。 大事なのは、適切に事実を伝えた上で、ショックを受け止められるよう、子どもを支えてあげることです。 しかし、日本ではがんの親を持つ子どもへの専門的ケアが欠如し、家族任せにされてきました。伝えたはいいけれど、どう子どもを支えたらいいか、支え切れない、という親の悩みは尽きず、子どもも、十分なケアが受けられないままになりがちです。 その現実を目の当たりにし、「成人医療の現場で子どもの存在を忘れてはいけない」「子どもも含めた家族全体の支援が大切」という考えの下、医療ソーシャルワーカーや臨床心理士、看護師、医師が集まって2008年に発足したのが、ホープツリーです。 各医療機関で相談員を務める看護師や医療ソーシャルワーカー、医師らに行った意識調査(2009年、図2)や、乳癌学会の医師や看護師に行った意識調査(2010年)からも、子どもの支援をしたほうがよいと思いながら、約8割が実践できていない現実が浮き彫りになっています。 ホープツリーでは、患者や医療者が参考にできる情報をホームページ上で提供したり、支援プログラム「CクライムLIMB」に基づいて直接ケアに当たってきました。プログラムのフ伝えて始まるケアァシリテーター(支援者)も養成しています。 ホープツリーがクライムに参加した親を対象に行ったアンケートによれば、親のがんを知らされた直後には泣き出したり、動揺して席を立ったりしてしまう子もいる一方、比較的冷静な子も意外に多いとのこと。状況理解が難しく実感が伴わないケースもあれば、むしろすっきりと納得した表情を見せる子もいるそうです。最終的には、親に対し協力的になり、気遣うようになる子が多いと報告されています。LOHASMEDICAL


<< | < | > | >>