ロハス・メディカルvol.114(2015年3月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年3月号です。


>> P.21

だ多くいます。 そこで期待されているのが、2014年に成立した「医療介護総合確保推進法」の波及効果です。 これまで医療と介護は切り離されてきましたが、同法では医療と介護を複合的に捉え、市区町村による地域支援事業を在宅ケアの中核に位置づけました。 自宅やサービス付き高齢者向け住宅等での医療・介護を前提とする「地域包括ケアシステム」を築き、高齢者が住み慣れた地域で生活を続けられる体制を整備するよう、具体的構想が盛り込まれています。介護保険法で定められた地域包括支援センターや在宅医療・介護連携支援センター(仮称)が在宅ケア移行に関する相談役も担うこととなり、療機関は一部で、支援組織のない所も少なくありません。現状では、在宅に移りたくても、いつ、何をどうしたらいいのか、相談先も分からないまま断念する患者や家族がま ピュアでは毎月1回、がんサロンを開催しています。病院内で開催される一般的ながんサロンと大きく違うのは、終末期や最期に関する話題でも、和気あいあいとした雰囲気の中で躊躇なく自然なお喋りが続いていくことです。 藤田代表の朗らかな人柄に加え、結婚前のホテルウーマン時代に培った「相手が本当にしたいことを自然に引き出せる」話術も、ざっくばらんなサロンの雰囲気作りに貢献しているようです。タブーのないがんサロン相談者がたらい回しにされるようなこともなくなるはずです。 ただし、支援センターに在宅ケア移行への情報が不足したり緩和ケアに関する理解不足があったり、あるいは24時間ケア体制が存在しないという地域が数多く残っています。それらの地域では、法の趣旨が「絵に描いたモチ」に終わる可能性もあります。 患者やその家族が誰しも人生最終章の生き方・逝き方を自由に選べる社会の実現へ、ピュアの活動は、まだしばらく続きそうです。LOHASMEDICAL


<< | < | > | >>