ロハス・メディカルvol.115(2015年4月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年4月号です。


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さんも「ダメ。ゼッタイ。」(HTTP://WWW.DAPC.OR.JP/)という薬物乱用防止を啓発するポスターやビデオを一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか。教育現場では、小学高学年、中学、高校すべての保健教科書に、薬物乱用と健康についての掲載があります。これらの情報により、「薬物は怖いもの」「薬物は絶対に使用してはいけないもの」という意識が相当根付いています。 その一方で、医療現場では薬物を使うことが推奨されている場面もあり、そのように処方しようとしても拒む人たちがいます。きちんと教育されて遵守してきた人たちだからこそ、ダメな薬物を使用するってどういうこと? と思ってしまうのは当然のことでしょう。 それでは、ダメと教育されると思い込んでいる人がいます。我慢もできているから、まだ乱用ではないと勝手なイメージを持っているのです。ですが、法律で禁止されている内容は、そうではありません。本人がきちんと自己管理していようがいまいが、回数や量に関係なく、使ってはいけない人の場合1回でも使えば即「薬物乱用」です。 薬物乱用を防止する教育では、「使用してよい人」がいて「使用してよい薬物」があてきたのは一体何かということから、お話ししたいと思います。ダメと言われているのは、一言でいうと薬物の「乱用」です。薬物の「使用」ではありません。使ってよい人が使うことは禁じられていないのです。 ただし、乱用という言葉は、一般の人に誤解されやすい表記です。乱用は、廃人になるほど自制がきかなくなる使用であるという枝葉の内容を同時に伝えることはありません。特に学校教育では、説明過多だと本当に伝えたいことが伝わらなくなります。だからこそ、大人の保健理科では、枝葉の内容も知っておき、許されるものを理解することで「ダメ。ゼッタイ。」を再確認しておきましょう。 では、どういう時に薬物を使用してよいのかと言えば、がんの疼痛で苦しみQOLが低下している場合などです。鎮痛のためモルヒネなどの医療用麻薬(オピオイドという言い方をします)を使用します。これは緩和ケアの一つで、もちろん医師の判断で、医師が処方します。 患者さんが一番気にされることは、モルヒネで痛みは緩和されても精神依存を起こし廃人になってしまうのではないかということです。しかし、緩和ケアで使用する場合(き皆LOHASMEDICALVIEW使用と乱用は別物使用してよい例薬剤師。科学の本の読み聞かせの会「ほんとほんと」主宰吉田のりまき都道府県が設置する教科書センター一覧は、文部科学省のサイトに掲載されています。HTTP://WWW.MEXT.GO.JP/A_MENU/SHOTOU/KYOUKASHO/CENTER.HTM教科書をご覧になりたい方へ第28回1回でも薬物乱用適正使用ならOK2ROBUSTHEALTH


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