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第26回?」や「こうしたいと思いますが、大丈夫ですか?」、「あなたはどう思いますか?」など、意見を伺うことがほとんどです。もちろん、可及的速やかに高度の判断を下さなくてはいけない入院中など、必ずしも意見を訊いていられな国では、政府、医療機関、医療者団体、患者団体が、〝患者中心〟の医療を強く推進してきました。医師が治療方針をほぼ一意的に決定する時代は過ぎ去り、患者自身が主役となり、医師の助けを借りて意思決定することが一般的になっています。様々な情報が見つかりますが、残念ながら、どの情報が信頼できるか、どの情報が正しいのか、患者さんが判断するのは極めて難しいです。逆に、検索サイトで上位に表示されるのは、センセーショナルで断定的な情報が多く、誤解を招くことがしばしばです。 正しい医療情報を網羅的にまとめ、常に更新するには、多大なコストがかかります。今後日本でも、患者さんがよりよい医療を受けるために、そのような情報源の整備が望まれます。ただし、今後加速度的に増大する医療知識を一元的にまとめあげ、かつそれらを無料で提供することは、医療機関や学会、民間の企業や団体の努力だけでは現実的に難しいでしょう。私は、医療に関しては一般的に地方分権化を進めるべきと考えていますが、一元化された信頼できる医療情報の提供においては、政府がより主体的な役割を担うことを期待しています。2007年東京大学医学部卒業。沖縄県立中部病院での初期研修を終え、2009年から米国ニューヨークの病院で内科研修。2012年からメイヨ―で予防医学フェロー。反田篤志い場合もありますが、最終判断を下す前に患者さんの意見を確認することは、当たり前の方針として体に染みついています。 患者側が主体的に判断を下すためには、患者自身も自らの病気に関して勉強し、ある程度の知識を持つことが望まれます。しかし、正しい医療知識を効率的に身に着けることは、医療のプロでない患者さんには困難です。 このような問題を解決するために、米国政府は1998年にMEDLINEPLUSというウェブサイトを開設しました。ここでは、症状や病名ごとに信頼できる医療情報が、英語とスペイン語で網羅的にまとめられていて、すべてが無料で利用できます。外部へのリンクも、非営利の信頼できる情報源に限られています。私が患者さんに病気に関して説明する際は、このウェブサイトを参照して理解を深めるように勧めています。もちろん、高齢だったり、病気が進行していたり、日々の生活に余裕がなかったりして、必ずしも自ら情報を集められない人もいます。その場合には、より良い判断を下してもらえるよう、私が情報源となりサポートしていきます。 ほとんどの人は、自らの症状や病名をネットで検索して調べたことがあるでしょう。 日本では「こうしましょう」「これとこれを受けてきてください」と、既に決定した方針を患者へ伝達するやり方がまだ多く見られると思います。一方、米国で診療する場合の私の役目は、知識の共有と助言です。したがって、患者さんに話す時は、「私はこう思いますが、いかがでしょう信頼ある医療情報政府が無料で提供米LOHASMEDICALVOICE30LOHASMEDICAL