ロハス・メディカルvol.116(2015年5月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年5月号です。


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第20回が1軒あるだけで調剤薬局1軒の経営がほぼ成り立つ現状などから「調剤薬局は儲け過ぎだ」という批判が国民からあがるようになっています。 また、厚労省は「薬局の独立性を高める」として、1996年に省令で調剤薬局を病院内に置くことを禁じました。このため調剤薬局は、病院との間にフェンスを挟んだり、病院からみて公道の向かい側に建てられたりしています。その結果、患者は二度手間を強いられています。 この医薬分業に規制改革会 「医薬分業」は、薬剤師が医師の処方箋をチェックし、医師から独立した立場で処方の安全性や有効性を高めることが目的と言われて始まりました。1956年の医薬分業法施行以来、紆余曲折はありましたが、医療機関に対する薬価差益批判などを追い風に広がり、2013年度には、外来で処方箋を受け取った患者のうち院外の薬局で調剤を受けた割合(医薬分業率)は約7割に達しています。 今や保険薬局の数はコンビニを上回り、それでも診療所議がメスを入れようとしています。 医薬分業を主張する厚労省の言い分は以下のようなものです。 医療は医業のプロである医師が、調剤は薬のプロである薬剤師がするべきだというのです。「かかりつけ医」のように「かかりつけ薬局」の薬剤師が処方箋をチェックし、薬歴を管理し患者の健康管理をしていくという考え方です。 確かに薬学部で6年間学んだ薬剤師は薬のプロです。しかし、病気の診断のプロではありませんし、処方箋に病気の情報は載っていません。目の前の患者がどんな病気で、医師がどういう意図で処方をしているか分かりません。結局、薬の飲み合わせの禁忌や処方量の間違いぐらいは指摘できても、医師と具体的に処方内容のうめむら・さとし●内科医。前参院議員、元厚生労働大臣政務官。1975年、大阪府堺市生まれ。2001年、大阪大学医学部卒業。医師が処方箋を出して薬局の薬剤師が調剤する「医薬分業」のあり方が、政府の規制改革会議で議論されています。私は、薬剤師が調剤薬局だけにいる時代は終わりつつあり、地域での活躍が求められるようになっていると考えます。厚労省も業界団体も薬剤師自身も、現状を改革しなければなりません。見直すべき現在の医薬分業薬剤師は地域に出て活躍を現実と建前が乖離LOHASMEDICALVIEW議論をするということは難しいです。禁忌や処方量程度のチェックなら、人力よりIT技術を使った方が効率もいいでしょう。 また、調剤薬局では、薬剤師が患者の薬歴を管理しながら薬の説明などをする「薬剤服用歴管理指導料」を算定しますが、患者の中には体調不良で「早く帰りたい。話すのもつらい」と思っている人も多いでしょう。診察室で話した内容を復唱するのが煩わしいと感じたり、カウンター越しに周りにも聞こえるような28LOHASMEDICAL


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