ロハス・メディカルvol.117(2015年6月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年6月号です。


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トの体には、体の内外で起きた変化に対応して、体内の環境を一定に保とうとする仕組みがあります。これを恒常性(ホメオスタシス)と言います。起きた変化が小さい時は、すぐ元の環境に戻すことができるのですが、変化が大きい場合や長く続いてしまう場合は十分に恒常性を保てなくなり、不具合が生じて健康を損なうことになります。 恒常性の仕組みは、高校理科の「生物基礎」で詳しく学習します。自律神経による調節とホルモンによる調節を教わり、血糖濃度の調節と糖尿病について学びます。 今回は、このうちのホルモンについて話を進めていきたいと思います。ちなみに保健では、中学の生殖の単元で、性ホルモンについて学習します。 ホルモンは、①体内で作らものもあることが分かっています。 血液で運ばれるため、ホルモンは全身どこへでも行くことができ、それにもかかわらず目的以外の場所で働いてしまうことは原則としてありません。受容体がない限り効果を発揮できず、その受容体は、標的になる組織や器官の細胞にしかないことが多いためです。逆に、受容体があれば、ほんのわずかな量でも効果を発揮します。れ、②血液中に放出され、③標的になる特定の組織や器官に運ばれ、④その組織や器官の働きを調節する、そんな物質のことです。多くの種類があり、分泌元、標的になる組織や器官、働き方は、それぞれのホルモンによって異なります。最近の研究で、分泌された場所のすぐ近くの細胞に働きかけたり、分泌した組織自身に働きかけたりしている ホルモンを分泌する組織(内分泌組織と呼びます)の代表格が、脳(間脳)にある視床下部と脳下垂体です。脳下垂体は、「成長ホルモン」、「副腎皮質刺激ホルモン」、「甲状腺刺激ホルモン」、「抗利尿ホルモン」、「性腺刺激ホルモン」などを分泌して、下流の内分泌組織に影響を与えます。下流の組織としては、甲状腺、副甲状腺、副腎、膵臓のランゲルハンス島、卵巣、精巣といったものがあります。 ホルモンの多くは、脳によって分泌量が調整されています。例えば視床下部が「甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン」を分泌したとします。それが脳下垂体に届き「甲状腺刺激ホルモン」が分泌されます。その結果、甲状腺では例えば「チロキシン」という代謝量の調節に働くホルモンの分泌が促進されます。こうして血液中のチロキシン濃度がヒLOHASMEDICALVIEWホルモンとは濃度は一定範囲に薬剤師。科学の本の読み聞かせの会「ほんとほんと」主宰吉田のりまき都道府県が設置する教科書センター一覧は、文部科学省のサイトに掲載されています。HTTP://WWW.MEXT.GO.JP/A_MENU/SHOTOU/KYOUKASHO/CENTER.HTM教科書をご覧になりたい方へ第2回ホルモンが減るので更年期は自助努力を2ROBUSTHEALTH


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