ロハス・メディカルvol.117(2015年6月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年6月号です。


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高くなります。 血液中のチロキシンの濃度が高くなり過ぎると、今度はその情報が視床下部や脳下垂体に伝えられて、ホルモン分泌が抑えられます。その結果、甲状腺からのチロキシンの分泌量も減少します。このようなフィードバックの仕組みがあることで、血液中のチロキシンの濃度は適切に維持されているのです。 ホルモンの中には、年齢によって分泌量が大きく異なるものがあります。それは成長ホルモンや性ホルモンです。 成長ホルモンは、小児期に分泌量が多く、思春期にピークとなった後は年齢と共に低下します。ですが、代謝調節という重要な役割があるため、成人になっても分泌されています。 性ホルモンの変化は、特に女性で顕著です。10代でぐっと分泌量の増えるエストロゲンは、閉経後は急激に少なくなり、ほとんど分泌されなくなります。とても急な変化なので、体自身も混乱するようで、更年期障害をひき起こしてしまいます。男性でもテストステロン分泌は減りますが、エストロゲンのように急ではなく、徐々に少なくなります。 さて、エストロゲンは、性ホルモンではありますが生殖関係にだけに作用しているのではなく、複数の作用を持っており、端的に言うならメタボリックシンドロームのストッパー的な役割をしてくれて進むことになり、若い時に骨量を蓄えていなかった人は、数年で骨がスカスカになってしまいます。 また血管にも作用していて、血管の炎症抑制に一役買っています。糖やコレステロールの代謝にも関与しています。そのため閉経後は、高血圧、肥満、脂質代謝異常、心血管疾患といったメタボリックシンドロームの症状が現れやすくなります。 更年期より前に、少々の無茶や無理をしても健康を損なわなかったとしたら、それは恐らくエストロゲンのおかげです。閉経後は同じことが通用しなくなり、小さな不摂生でも体に大きなダメージとなります。 エストロゲンの後ろ盾がなくなってしまう時こそ、女性は気持ちを新たに、これまでとは異なったセルフケアをスタートさせる必要があります。自分が思っている以上に体内環境は変化していること、それを補ってあげられるのは自分自身の知恵と行動でしかないことを、覚えておいていただければと思います。LOHASMEDICALVIEW女性ホルモンの力毎回、本文と関係のある本をご紹介していきます。伊藤裕著朝日新聞出版 2015年NPO法人女性の健康とメノポーズ協会編著水沼英樹監修株式会社SCICUS 2012年もっと知りたい方になんでもホルモン最強の体内物質が人生を変える女性も男性も暮らしも職場もHAPPY!に年代別女性の健康と働き方マニュアルワーク・ライフ・バランスとヘルスケアいます。 そのため分泌が激減してしまう更年期に、様々な不都合が一気に生じます。 例えば骨粗鬆症(先月号の特集参照、WEBで電子書籍を読めます)です。エストロゲンは骨吸収を抑え、骨量を維持する役割があります。急激に減ると骨破壊が一気に3ROBUSTHEALTH


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