ロハス・メディカルvol.117(2015年6月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年6月号です。


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知られています。運動によってエネルギーが消費され適正体重が保たれるという、これまで言われてきた経路だけで、これほど多くの効果を考えるのは若干無理があります。もし、その経路だけで効果を得られるなら、食事制限によって適正体重を維持しても同じはずですが、そんなことはありません。 実は近年、エネルギーを貯めるためだけに存在すると考えられていた脂肪細胞が生理活性物質を分泌していると分かったり(その観点から新たな疾病概念として登場してき慣的な運動には、下図のように様々な効果が何しろ自分の意思で動かせる運動の効果脳卒中の減少アルツハイマー病の予防動脈硬化の改善膵臓機能の亢進うつ・不安の抑制心疾患の予防・改善肝機能の改善※眞鍋准教授執筆の「内分泌器官としての骨格筋」(『実験医学』2014年6月号)より習たのが、メタボリックシンドロームです。2006年12月号参照、WEBで電子書籍を読めます)、骨もやはり生理活性物質を分泌していると見なされるようになったりしています。 つまり、これまで内臓とは見なされてこなかったような体のパーツすべてが、何かしら分泌して他の臓器に影響を与えていそうなのです。筋肉も何か分泌して、他の臓器に影響を与えているのでないかと考えるのは自然なことです。そして特に注目すべきなのが、骨格筋は、何歳になっても自分の意思で動かすことができ、他のパーツと違って容易に増


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