ロハス・メディカルvol.117(2015年6月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年6月号です。


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右:藤井宣晴 首都大学東京大学院教授左:眞鍋康子 同准教授込むことが分かってきました。インスリンが作用した時とは違う経路で細胞内を信号が伝わって、最終的には細胞膜に糖の通路GLUT(2014年4月号参照、WEBで電子書籍を読めます)が開くのです。 そして運動を重ねることによって、筋細胞のインスリン感受性が上がり、さらに運動刺激にも反応しやすくなって、どんどんGLUTが開きやすい状態へ変わっていくことも分かってきました。つまり2型糖尿病の予防や改善に運動が大切なことは間違いないのですが、考えられていた以上に、その効果は大きいかもしれないのです。 運動した時に筋細胞内でどのように糖取り込みが起きるのかの分子メカニズムを報告した藤井宣晴・首都大学東京大学院教授は、「この場合の運動を難しく考える必要はなくて、普段より行動の強度が高く、息が弾んだり拍動を感じたりするようなら、充分に運動していると見なすことができます。強度による効果の差より、するかしないかの差の方がはるかに大きいですし、たとえ1回に数分間でも、やっただけの効果はありますので、とにかく何かを始めていただければと思います」と言います。 藤井教授がこのように言うのは、筋肉は単に糖を取り込んで消費するだけでなく、ホルモンのような生理活性物質を分泌している可能性が濃厚になってきており、それらの中に運動の前後で濃度変化する物質がいくつも見つかっているからです。 このような筋肉(骨格筋)の分泌する生理活性物質を総称して「マイオカイン」と呼びます。ロゴ9MMBETTER-社名31.5MMH227MM×W52MM


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