ロハス・メディカルvol.117(2015年6月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年6月号です。


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新制度での一般的な流れ医師国家試験合格年日本内科学会指定の医療施設で研修内科専門医の受験資格腎臓専門医の受験資格?日本腎臓学会指定の医療施設で研修?臨床研修指定病院で初期研修2年(うち6カ月以上は内科研修)LOHASMEDICALVIEW 前項で紹介したように、専門医制度は「医師の能力を測る・証明するための認定テスト」に過ぎません。しかし、その「認定テスト」の人気が高く(一般人のイメージもよい)、多くの内科医が専門医取得をめざす現状からすると、若い内科医は学会の指定病院の中から就職先を選ぶのが合理的です。病院側から見ると、学会の指定病院になれるか否かで、若い内科医が来るか否かも決まる、ということになります。 教育の問題と医師不足の問題を一緒くたに論じるな、とよく言われ、建前はその通りなのですが、現実はこうなっています。 さて、この専門医制度が2年後の2017年度から大きく制度変更されることになっています。最大の変更点は、各学会ではなく日本専門医機構が、統一した基準で各領域の専門医を認定するようになることです。加えて他にもかなり大きな変更が行われます。 内科領域では、初期研修2年の後、さらに3年間かけて内科全般の研修を行うと内科専門医(新制度では1階部分を「内科専門医」と呼称)を取得できるようになり、その上で各分野の専門医取得をめざすことになるそうです。 各専門分野で習得すべき内容が変わるわけではない以上、各専門分野の学会が課している現行の3年間は、短縮される理由がないと考えられます。ということは、専門医取得までの期間が、現行の免許取得後6年から8年へと延びる可能性も高くなります。 また、日本内科学会作成の説明資料『新しい内科専門医の研修に関する捉え方』によると、内科学会の指定病院に対して新たにランク付けがなされ、「基幹施設に指定された病院」か「基幹施設と提携する病院」でないと、1階部分の専門医(現行制度の認定内科医)を育成できなくなる模様です。現在でも指定病院は「教育病院」と「教育関連病院」の二本立てですが、現行制度の「教育関連病院」は「教育病院」との連携を義務づけられてはいません。「基幹施設」の指定要件も、現在の「教育病院」の基準よりさらに厳しくなっており、大学病院のように特に大きな病院でないと指定を受けられないのではないか、と考えられます(左頁表)。 さらに新制度では病院内の「より良い教育」に副次的効果の懸念12345678


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