ロハス・メディカルvol.119(2015年8月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年8月号です。


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はこやま・こうた●北海道大学医学部医学科4年生。2月に休学して、妊婦エプロンと一緒に世界一周放浪中。DR.SRENG(前列左)と一緒に農村部でレクチャートナムの次は、お隣のカンボジアです。再び協力者を見つけ、活動の説明を翻訳せねばなりません。気を引き締め直して、いざプノンペンへ。 バスから降りた時、どこか危険な匂いのする街だなと思いました。人々の往来を見ていても、これまでと違う何かを感じます。 まず、この国の歴史を知りたいと思い、キリングフィールドとトゥールスレン虐殺博物館を訪れました。そこには想像を絶する光景が広がっていました。わずか40年ほど前に、何百万もの人が次々と殺されていたのです。 ポル・ポトやクメール・ルージュという名前だけ聞いたことがあったのですが、その言葉に一体どれだけの意味があるのか、知ろうともしていませんでした。大虐殺の事実と共に、そんな自分自身を悲しく思いました。 歴史を知った上で、自分なりの方法で何かしたいと思いました。僕には妊婦体験ジャケットがあります。人が国を創っていくのなら、その人を創っていくのは周りの環境であり、家庭です。お父さんを叩き直して、これから産まれてくる命の力になれば、その国の力にもなれるはずだ。そんな想いから、カンボジアだけで妊婦体験1 0 0人をめざすことにしました。この国では、とりわけ頑張りたくなったのです。 とは言え、一人では厳しい人数⁝⁝。そんな時、強力な助っ人に出会いました。母子保健に関する団体RHACのスタッフDR.SRENGです。彼には、クリニックに連れて行ってもらったり、家族計画に関するプロジェクトの現場を見せてもらったりしました。 例えば、トゥクトゥクと呼ばれる小型タクシーに避妊に関するポスターなどを貼って、大音量の音楽と宣伝を流しながら、プノンペン郊外の農村部を回りました。彼は、目をきらきらさせながら、その様子を見ていました。夢を語る姿はとてもカッコ良くて、30年後の将来は、こんな人になっていたいと思いました。 彼のお蔭もあり、プノンペンで51人、アンコールワットのあるシェムリアップで51人、合計102人に妊婦体験してもらうことができました。 カンボジアの後は、タイとミャンマーへ。しかしカンボジアで頑張り過ぎた反動か、人数にこだわることへの疑問も芽生え、大切なのは、量なのか質なのか悩みました。そうこうしているうちに、なぜかミャンマーでは、僕のことがニュースとして新聞に載りました! サプライズに喜びつつ、東南アジアを後にしたのでした。第3回カンボジアだけで妊婦体験100人をめざす箱山昂汰LOHASMEDICALVOICEベ


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