ロハス・メディカルvol.119(2015年8月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年8月号です。


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読み逃した記事、もう一度読みたい記事を、どうぞ。誌面を流用してオリジナルの冊子を作りたいというご要望にもお応えしていますので、流用したい記事がないか探すのにもご活用ください(詳しくはWEBで)。25LOHASMEDICALLOHASMEDICAL衰えは口から第50回ナビタスクリニック理事長久住英二くすみ・えいじ●1999年、新潟大学医学部卒業。虎の門病院に勤務した後、東大医科研先端医療社会コミュニケーションシステム部門に所属、2008年6月、立川駅の駅ビル「エキュート立川」で開業。内閣府の規制・制度改革仕分け人でもあった。の原稿を書いている6月25日現在、韓国での中東呼吸器症候群(MERS)流行に関するメディア報道が続いています。実は感染症の知識がある人間は、2014年にサウジアラビアで大流行していた時から、いつか日本や周辺諸国にも来るだろうと警戒していました。 でも、その懸念をメディアの人に伝えても興味を示しませんでした。メディアが飛び付いたのは、日本に入って来る確率は低いと予測されていたエボラ出血熱の方で、しかも電車の吊り革で接触感染するのか? など、些末なことばかり報じました。 それが韓国で患者が発生した途端に大騒ぎです。感染者の死亡率が40%と言われていますけれども、母集団のほとんどは基礎疾患があって免疫が弱いような人たち。また、1人の患者から何人にうつるかという感染力は、麻疹が18、風疹12、季節性インフルエンザ3なのに対して0・6で、しかも院内感染がほとんど。肺炎になっているような重症の人でなければ、撒き散らされるウイルスの量は少なく、あまり人にはうつらないということです。 センセーショナルに大騒ぎして恐怖や不安を煽るのはメディアの性で、メディアに騒がれると本能的に恐怖を感じるのが人間という生き物です。しかし科学的に感染リスクは高くないことが分かっている以上、理性によって本能の恐怖をコントロールするのが現代に生きる我々のなすべきこと、と思います。 ただ、韓国の例を見ても分かるように、感染者が動き回ると感染拡大してしまう可能性はあるので、流行地域から帰国して体調不良があったら、きちんと申告し、必要な検査を受けてください。こLOHASMEDICALVOICE©ロハスメディア2015(無断転載禁止)〒107-0062東京都港区南青山2-2-15 ウイン青山616 株式会社ロハスメディア内 ☎03-5771-0073「ロハス・メディカル」編集部:ARTDIRECTION&DESIGN:HOSOYAMADADESIGNOFFICEPRINTEDINJAPAN 株式会社テンプリント読みやすい大きな活字。購読・登録でTポイントたまります。HTTP://MAINICHI.JP/お問い合わせは0120-460-012毎日新聞はロハス・メディカルを応援します!32頁版本誌を、毎月1冊1年間2500円(税・送料込み)、毎月5冊1年間5000円(税・送料込み)で定期購読できます。郵便振替 00150-7-668818 (株)ロハスメディア振替用紙の記入欄に、住所・氏名・電話番号を忘れず書いて、ご入金ください。WEBサイトからもご注文を承っています。定期購読できます。バックナンバーを電子書籍で公開中!!HTTP://LOHASMEDICAL.JPロハス(LOHAS)は、LIFESTYLESOFHEALTHANDSUSTAINABILITYの頭文字からできた言葉です。直訳すると「健康的で持続可能な生活様式」となります。VOL.1202015年9月号予告


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