ロハス・メディカルvol.119(2015年8月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年8月号です。


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第48回どい・ゆうこ●1978年北海道医療大学薬学部卒。病院勤務後、93年(株)アインファーマシーズ入社、薬剤師研修を担当、2013年より現職。神戸薬科大学非常勤講師、北海道大学非常勤講師として、「薬剤師教育指導論」や「リスクマネージメント」を教えている。MBA取得後、2015年4月より経営学博士課程に進学。は、①価格(もちろん安いに越したことありませんね)、②在庫があってすぐ調剤できるか、すぐ取り寄せられること、③患者さんの生活に、より即した含量や剤形です。 ③は少し説明が必要でしょう。例えば有効成分の量が1錠あたり2㎎の2錠だったら、薬剤師の判断で4㎎の1錠に変更することができます。あるいは、先発品は錠剤で、ジェネリック医薬品に口腔内崩壊錠(OD錠)があるような時、OD錠に変更することができます。多くの薬を服用する方にとって、一緒に飲む水の量も負担のはずです。飲む講している大学院の授業の中に「医療経済概論」があります。医療経営学としてはごく当たり前の内容のようですが、薬局畑の私にはすごく新鮮です。例えば、新たな医療技術や医薬品について、既存の技術に対して「費用」と「健康上のアウトカム」を比較し、その医療技術や医薬品の費用対効果を測ります。 「費用対効果」と言えば、薬局薬剤師の最も関わるのが、ジェネリック医薬品への切り替えで、腕の見せ所でもあります。 薬剤師が気をつけているの(株)アインファーマシーズ上席執行役員土居由有子数が減ったり、飲み込みやすい薬になったりした方が、負担は軽くなります。まさに「費用」低減と「アウトカム」向上の両方に貢献するものです。 このように、ずっと利用してくださっている患者さんであれば薬歴を見ながら、初めての患者さんであれば他の薬局で薬が出ていないか問診やお薬手帳から情報を得て、適切に提供するのです。ただし、塗り薬や貼り薬は、有効成分以外の影響も大きいので、薬剤師だけで変更することはできません。 この薬剤師の腕を活用した後発品への切り替え薬剤師の腕の見せ所受いと思ったら、医療機関を受診して処方箋を貰う時に「ジェネリックにしてもらえますか?」と依頼してみてください。何か特別な問題がない限り、意思を尊重してくれるはずです。 薬局でも、処方箋を出す時に「ジェネリックにしたいのですが」と言って構いません。薬剤師から「ジェネリック医薬品の説明をさせていただいてよろしいですか?」と問いかけることもあります。 世の中にジェネリック医薬品が浸透して久しいのですが、未だに患者さんからは「どうしたらジェネリック医薬品をもらえるの?」「以前かかっていた医師も薬局の薬剤師も何も言ってくれなかった」「薬剤師さんに相談すればよいなんて知らなかった。」という声が聞かれます。 薬剤師が「費用対効果」に貢献し、さらに患者さんに必要とされるチャンスを自ら得ていく時代を迎えています。LOHASMEDICALVOICE


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