ロハス・メディカルvol.121(2015年10月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年10月号です。


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す。 これについては昨年2月、オーストラリアの研究者たちが、運動後の過度の飲酒によって、筋肉の修復と再構築におけるタンパク質合成が妨げられることを実験で確認しています。 実験には、8人の身体活動の盛んな男性(平均21・4歳)が参加。2週間おきに計3回、激しい運動を行った後で、以下のようなアルコールもしくは比較対照用の水分と、栄養を摂取しました。 飲んだのは、運動から1〜3・5時間後の30分ごとにオレンジジュース240㎖を水60㎖で薄めたもの、もしくはウォッカ60㎖のオレンジジュース240㎖で割ったものを計6杯でした。お酒を飲む方なら分かると思いますが、ウォッカ360㎖は、大変な量です。摂った栄養は、運動直後と4時間後の2回に分けて、プロテイン25Gずつ、もしくは炭水化物25Gずつと、運動から2時間後に炭水化物ベースの食事でした。 そして、血液と筋肉を、安静時と運動後に採取しました。その結果、プロテイン+オレンジジュースの時に比べて、プロテイン+アルコールの時は24%、炭水化物+アルコールの時は37%、タンパク質合成が低下していました。トレーニング効果は台無しということが、よく分かります。 アルコールを摂取すると、骨格筋での筋線維タンパク質の同化反応が抑制され、トレーニング後の筋肉の回復が遅れます。論文では、アルコールが酸化ストレスや炎症をひき起こし、筋肉を収縮させる仕組みを妨害することも指摘しています。 そんなにたくさん飲まなきゃいいと思った方もいるかもしれません。しかし今年6月、ペンシルベニア州立大学の研究者たちによって、運動した日の飲酒量は普段より増えることが報告されました。 この研究には、18〜89歳の150人が参加し、毎日の身体活動とアルコール摂取を毎晩スマートフォンに記録していきました。これまでの自己申告調査では、過去30日間の行動を振り返って報告していたため、不正確な記憶やバイアスが生じる可能性がありました。スマートフォンを導入することで、より正確な調査が可能となります。 調査は1年間、異なるシーズンで3週間ずつ3回行われました。結果、研究者らは、木曜日から日曜日にかけて、最も参加者の身体活動が活発であり、またこの期間に最もアルコール消費量が多いことを見出しました。この傾向は、身体活動のレベルがどうであれ、またどの年齢層でも同じでした。 この論文の筆頭著者で、現在ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部の教授であるデビッド·コンロイ博士は、学内誌に以下のように述べています。「人々は、運動後のご褒美としてより多く摂取してしまうか、もしくは身体を活発に動かしていると、より多くアルコールを消費する機会に遭遇するのかもしれません。私たちが、アルコールと身体活動の関係を理解すれば、アルコールの消費を抑えながら、運動を促進できます」 伝統的に、アスリートはトレーニングの後に暴飲をする習慣がありますが、より速い疲労の回復、より多くの筋肉を獲得のために、トレーニング日のアルコールは控えるべきですね。せっかくトレーニングをしても、アルコールでその効果が打ち消されてしまいます。また、アルコールを摂取する予定のある時は、トレーニングの時間を早めにする、アルコールの摂取の前に食事をするなどの工夫も必要だと思います。LOHASMEDICALVIEW運動後は飲み過ぎる19


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